夏の終わり、自家採種した白菜の種と、買ってきて2年ぐらいたつ種をまいた。
買ってきた種はちいとも芽がでず、自家採種だけがひょろひょろ出た。
「やっぱ、ウチの畑で育った白菜は違うなあ~」
と、気を良くして自家採種だけを蒔く。
あれから約2ヶ月たった。
今、巨大になったわけのわからん植物が、畝をおおいつくしている。
「これは、、、ミズナと交配したな。。。」
「ああ、これは小松菜かあ。。。」
「こっ、、、、これはいったいなんだ!」
と、いうよーな、およそ白菜とはほどとおい植物が、絢爛豪華に、百花繚乱に、ありとあらゆる姿で巨大に育っている。
中でも一番でかいのが、たぶん小松菜と交配したと思われる濃い緑色の白菜もどき。白菜のように可憐にくるりんと巻こうという気は、じぇんじぇんないらしい。そいつはバラの花のごとく、いやジャングルの中に咲くラフレシアのごとく、おもいっきりそっくり返って自分の領地を広げている最中だ。直径60センチはある。
その脇に、ほとんどそいつに押しつぶされそーになりながら、小さな白菜がふたつ、その若草色の葉っぱを立ち上げて、くるりんと巻こうとしている。
ああ、なんてけなげなの。
こいつをどかして可憐な白菜を育てようか。
ダンナにその話をする。
「育てれば?」
「は?あのでかいやつを?」
「そう。何事も実験実験」
「え~~、だって、あのラフレシア、でっかくなったって、じぇったいうまくないもん」
「それでもいーじゃん。なにがおこるかおもしろそうじゃん」
こいつは、食うよろこびを忘れているらしい。(おまえのほうが『食い意地が張っている』とはおもわんのか)
でも、彼らがどう切磋琢磨するかを見られるのはこの瞬間しかないのかもしれない。今とって食べてしまったら、その先は見れないのだ。
それにしても交配するとでかくなるんだろうか。カブの方もやっぱりでかい葉っぱでおおわれている。そういや福岡正信さんの本の中にも、巨大なカブができてたなあ。
ああっ、おいしそう。。。
(やっぱりそこか)
(やっぱりそこか)