2025年11月3日月曜日

出したいから出たんだよ

 




最近、人の闇をよく見る。


目の前で人の大げんかを見る。

人が裁判にかけられようとしているのを見る。

昨日は、見知らぬ人に罵声を浴びせられる。


一体何が私に起こっているんだろうと考える。

だがダンナはこういう。

「みんな出したいんだよ。出てきてくれてありがとうなのだ」


みんな自分の主張を訴える。

これは間違っているだろう!

こうあるべきだ!

何見てんだよ!


言われた側は、「私の何が間違っているのか!?」

と必死で考える。


でもはたから見ていると、

どっちにも言い分があって、

どっちかが間違っているとは言えない。


裁判でどっちかが勝ったとしても、

負けた方の心が晴れるわけではない。


両方がウィンウィンになんてならない。

勝った方が正義で、負けた方は間違っているというレッテルを貼られるだけだ。


この水平線上での解決は、どちらも幸せにはなれないのだ。


だけど「出したいから出たんだよ」

と考えるとき、そこに罪は見当たらない。


愛を叫びたくて、愛を求める叫びがしたくて、

「バカヤロウ!」と叫んだのだ。


私を罵倒した彼は、ただただ愛を求めて叫んでいた。


黒住宗忠さんのエピソードを思い出した。

彼のところにやってきた男性が、

ことごとく彼を罵倒しまくって帰っていった。

その後ろ姿を見て、黒住さんはニコニコしながら言う。

「ほら、言いたいことを全部言って、あんなに意気揚々と帰っていく。よかったね」


つまり彼の中に罪という意識がないが故に、

どんな言葉を浴びせられても、彼の心に刺さらないのだ。


これはイエスの心に似ている。

イエスが磔になって、槍で刺される。

でもイエスは刺した人にこういうだろう。

「上からの指示で刺したんだね。でも大丈夫。気にすることはないよ。私は平気だから」

その瞬間、刺した彼の心は癒されるだろう。彼の罪は溶けてなくなるだろう。



愛で見るとはそういうことか。


私を罵倒した彼を、

愛で見ることができたのは私の救いだった。





でも「出したいから出すんだよ」

と言うダンナから聞く、人々への愚痴は、

なかなか「出したいから出しているんだな」と言う風に受け止められない。


さっきも一時間ほどそれを聴きながら、

自分の中の罪悪感がざわめくのを感じていた。


ただ聞くと言うことができない。


「いやいや。そうは言っても。。。

結局相手を責めてるんじゃん。

相手が悪いって言ってるじゃん。。。」


「つくしはいつも自分が悪いとか誰かが悪いって考える。

そうじゃないだろ」


私はいつも自分が悪かったんだという視点でものを見てしまう癖がある。

それは罪ありきの考え。



黒住さんも、イエスも、

彼らの心に一切の罪というものが存在していないから、

罪を感じて聞くことはない。


私の中にまだたくさんの罪の意識があることを教えられた。


だが、どうやって見るかを教えてもらった。

こうやって罪は消えていくのだ。

私はそれをするために生きているのだろう。








和紙で制作した作品のオンラインショップができました

ペーパーバックの表紙を制作した原画のオンラインショップです

2025年10月25日土曜日

絵は心のお餅

エイミーさんからのプレゼント


10日間の展覧会が終わった。怒濤の10日間だった。


会期中、あまりお天気もよろしくなく、

そんな中、忙しい合間を縫ってたくさんの方々にお越しいただきました。

皆様、本当にありがとうございました!



絵を買ってくださったお二方

素敵な笑顔に癒されます





期間中、愛で満ち満ちていたその日々は私へのギフトだった。


今年作った絵本のような作品集「TSUKUSHI’S WORLD~絵画の中の物語~」も

たくさんお買い求めいただき、

そして30年ぶりに表に出した3冊の私の絵本

「ロードムービー」「センチメンタルジャーニー」「鈴木さんの場合」も

思いの外好評で、特に「鈴木さんの場合」が売れていくのにはびっくりしました。

あんなにぶっ飛んだ話なのに。。。

時代は私に追いついてきたんだな。。。(こらあーっ!)


そして原画の方も、何点かお買い求めいただき、感謝に絶えません。


お買いになってくださったお二人が偶然その場で居合わせ、

私がその場にいないにも関わらず、

二人で私の絵の素晴らしさを語り合ってくださっているのを垣間見た時は、

一体何が起こっているのだろうと胸がいっぱいになっていました。


そのお二人が後日それぞれに私に話してくださったのは、

絵を見ることで、心がどんなに幸せと喜びで満ちていくのかを

直に体験されていたことだった。

「芸術の力を知りました」と。


それは私がふと目にした何気ない草花たちの佇まいに

「わあっ!」と心が開き喜んだ幸せが、そのまま絵に定着され、

その喜びが、それを見る人の心の中にまで入っていくという

奇跡を見せてくれていたのでした。

そしてその幸せは水の波紋のように拡張していく。


「すごい。。。」


芸術ってこういうことなのか。。。

なんてすごいことをやっているんだ。。。


そう思わせてくれたのには理由があった。


それはイラストレーターになりたての頃、

ある有名なアートディレクターに言われた言葉から始まる。


「絵はしょせん絵に描いた餅だからさ。

本物の餅にはなれないのさ。

僕らを満たしてくれはしない」


ショックだった。

絵ってしょせんなものなのか。。。と。


そう思って、どこか絵を描く自分をずっと卑下していた私に、

「絵は心の餅」だったのだと気づかせてくれた。


それこそが私たちにとって重要なことだったのだと、

40年後にはっきりと気づかせてくれた。


なぜなら私たちは「心」だからだ。


このメッセージをもらったことはギフトだった。





かっこいいエイミーさんとあぶさん

上の写真と共にいただいた写真をお借りしました。

そしてズームや動画、ブログでしか知らなかった人たちに、生で出会えた。


初日、エイミーさんご夫婦が、車で3時間以上もかけて

いきなりサプライズでやってきた!

そんなもん、聞いてないがな~。


やっぱカッコいいわ。うん。

動画で見てたより小柄で、でもすごいパワフルで、周りをぱあっと明るくする人。

旦那さんのあぶさんもこれまたカッコいい!

どこの芸能人二人が来たんかとおもた(笑)

あぶさんご提案の独創的なフラワーアレンジメントもイカす。

柿の実がついてる枝のアレンジなんて初めて見た。

会期中、元気な姿を保ってくれました。


あの実、食べられるんかな?渋かな?

だったら熟してしまうまで放っておいて食ってみよっと。




香港さんと私だぜえ〜!

奇跡パパと香港さん



そして後半、ついに来ました香港さん!

還暦オヤジが、夜行バスで大阪から早朝の高尾にやってきてくれました。

え?朝の5時?どーするんやろ?とおもてたけど、

ちゃんと段取り組んで高尾山頂上まで行ってくるという元気っぷり。

(ケーブル降りてからの歩きの長さは計算外だったようだがw)


そしてこれまたブログで密かに覗かせてもらってた、

香港さんのお知り合いの奇跡パパが、カッコイイバイクでやってきてくれた。


さてその後三人はあやしい場末の飲み屋にしけこんで、

怒涛の濃い濃いコースの話の嵐。がっつり話し込んでしまいましたとさ。


香港さんはのちのブログで、

私と過去どこかで会ったことがあると言っておられましたが、

私にとっては、それが当たり前すぎて、気にもとめてなかったという傲慢な奴。

一方的ブログ読者、あるあるですな。ごめーん。



コース仲間たち。それぞれを別々に知ってたけど、みんな繋がってた!

そのほか、ほぼ毎日のようにコース関連の人たちがたくさんきてくれて、

コースの話をしない日はなかった。



と、急ぎ足でこの怒濤の10日間を書いてみました。

書ききれないことばかりです。


今回不思議なこといっぱいあったけど、最後の最後に高知組が偶然集まった!



あらためて御礼申し上げます。

展覧会に来て下さった皆々様、誠にありがとうございました!









和紙で制作した作品のオンラインショップができました

ペーパーバックの表紙を制作した原画のオンラインショップです



2025年10月10日金曜日

展覧会は今日から始まります。



今日から10日間、私の展覧会が始まります。

昨日展示も無事終わり、

あとは楽しい時間を過ごすだけになりました。


今回で3度目になるこの会場での展覧会。

この独特の空間での絵の展示は、

ギャラリーのようなホワイトキューブではないことで、

いろんなことを教えてくれました。


昨日写真家の海沼武史が各部屋ごとの展示を決めて行ったのですが、

夜こんなことを言っていました。


あの部屋たちは三次元の器だ。

その器にどんな気が流れているか、

そこにどんな絵を盛りつければ気持ちのいい気の流れになるのか。それが決め手だと。


床の間あり、出窓あり、三畳の小さな部屋があり、玄関があり、廊下があり。。。

それぞれの空間に、どんな日が差し込むのか、どんな風の通りがあるのか、

そして外の美しい緑の風景をバックに、絵はどう映えるのか。


あらゆるお膳立てがあり、

そこをどう料理する?この器にどう料理を盛り付ける?

そんな風にも見えてきます。

私の絵はさながら、器に盛り付けられる料理です。


渋い演出から、モノトーンの空間から、華やかな空間まで、

いろんな盛り付けがなされています。


さて、みなさまの目には、そして感覚にはどう映るのでしょうか。

どんな味がするのでしょうか。


みなさまの反応を楽しみにしております。



つくし作品展:

2025年10月10日(金)〜20日(月)


高尾駒木野庭園

東京都八王子市裏高尾町268−1

tel: 042-663-3611

開館時間:9時〜16時30分

無休 入場無料

JR中央線・京王高尾線「高尾駅」より徒歩15分

京王高尾線「高尾山口駅」より徒歩15分

バス:JR高尾駅北口発 京王バス「小仏」行き「病院前」下車すぐ





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