
ニュースは言う。
「今日はたいへん暑い一日でした」
「電気使用量が軒並み85%を超えました。このままいくと、夏本番には明らかに供給量が足りなくなってきます」
「そんな中、セーフは原発の安全基準を強化しました」
「今日は熱中症にかかる人が続出しました」
「ボランティアの方々が、一人暮らしのお年寄りのところを訪問します」
お年寄りは言う。
「ええ、できるだけクーラーは使わないようにしています」
ボランティアさんは言う。
「でも熱中症にかかるといけないので、ときどきクーラーはつけて下さいね」
「さて、副島第一原発のおはなしです。高濃度の汚染水が漏れていました。非常に危険です」
ニュースなんてただの情報だが、よく聞いていると、ニュースに誘導されているのがわかる。
今日は暑い一日だった。
このまま行くと、電気料が足りなくなると脅す。今、日本中の54基の原発のうち、35基ほどが止まっている。今は原発なんていらないという人々がいるはずだ。それに向かってなにげに訴えている。このまま夏に向かって原発を動かさないとどうなるか分ってますか?と。それからすかさず、セーフは安全基準を強化したという。すると
「ああ、原発も基準を高くすると安心だあなあ」
という気分にさせる。
そうすると、タタミカケルように、熱中症でお年寄りが亡くなった話をする。
「ああ、やっぱり電気は必要だあなあ」
と、さらに確信に向かわせる。
と、ここでいきなり原発の今現実に起っているあぶない状況を報道する。
人は「ええ〜っ、やっぱりあぶないじゃん!」とびっくりする。
ニュースは何をやっているか。混乱させているのだ。原発は安心ですよ〜ともっていきつつ、最後に落とす。一見、どちらの意見も報道して公平なように見せている。ここがくせものだ。人はどっちの意見も言われると混乱し、迷い、結局自分で判断することを放棄してしまう。混乱した頭に「こっちですよ〜」といわれると、そっちにおもわずふらふらとついていくものだ。
電気を使うなと言ったり、熱中症になるから使えと言ったり。そうやってどっちにしていいかわからないようにさせて、誘導する。心理作戦の成功パターンだ。
テレビを見ているとほとんどそういうパターンになっている。今まで気にもしなかったことを問題視させ、動揺させ、そのための解決方法を教える。はじめから答えありきだ。それは健康番組も、化粧品やヘアケアのコマーシャルも。
玉虫色の、コロコロ変わる価値観で混乱させられ、自分の中で矛盾するものを抱え、イライラし、ダンナと奥さんが意見の相違でケンカする。
私たちの価値観は、実は外から知らず知らず作られている可能性がないかい?
絵:似顔絵「秋山仁」

























