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2021年1月13日水曜日

動画絵本『The Monster in the Subway station』英語字幕付き

 




まだ私がニューヨークにいた頃、英会話の教室に通っていた。


57丁目のセントラル・パークのすぐ隣にある大きなマンションの一角。大きなリビングの隣にある小さなキッチンの片隅に丸いテーブルがあり、そこでマンツーマンで英語を習っていた。


私はあまり良い生徒ではなかったが、シーガン先生は、私の仕事をとても尊敬してくれていた。


私の絵本「ちかてつのおばけ」を英語訳してくれたのも彼女。彼女は日本語が一切できない。私のたどたどしい英語で、絵を見せ、ニュアンスを伝え、何を言わんとしているかを伝えるのに苦労したものだ。



先日動画公開したその絵本に、英語字幕のものも作ろうということになった。

近所に住んでいる翻訳家の方に、英語訳のチェックを入れてもらう。


シーガンさんに英語訳をしてもらってのち、私は何度も文章や話の内容を変えているので、ニュアンスが少しづつ変わってしまっていたからだ。



「とてもいい文章。直すところがないわ」

チェックを入れてくれた方のその言葉に、シーガンさんの私への想いが伝わってきた。


国語の先生だった彼女。どんな思いでこの絵本の訳を考えてくれていたのだろう。あの小さなキッチンの片隅で、6年間続いた彼女との時間を思い出し、胸が熱くなる。


その後二人の翻訳家の方に、少しだけ手直しをしてもらい、
英語字幕付きの絵本の動画『The Monster in the Subway station』が出来上がった。




一人ではできない。

そのことを今回私はとても感じた。

たった一つの絵を作ることさえも、私が一人で作っているわけではないのだ。


物語を生み出すことになった、あの14丁目で出会った「彼」。インスピレーションをくれたニューヨークの街。私の過去に出会った人々からもらったたくさんの感覚。英語訳してくれた人々。出会った出版社の方々。動画にしてくれた旦那。その動画ソフトを作った人々、SNS。。。


とてつもない人々の存在と、とてつもない多くの心が作り上げてくれた一つの世界観。。。


私は一人ではないし、一人で作り上げたのでもない。

壮大な世界の一片を垣間見たような、そんな大事な体験をさせてもらいました。



ありがとうございます。


そしてシーガン先生、ありがとう。


2021年1月8日金曜日

絵本『ちかてつのおばけ』を動画公開します

 




19年前、私はニューヨークは14丁目の地下鉄のホームで電車を待っていました。


静かな日本のホームと違って、レールを走る電車のきしむ音やブレーキ音など耳障りな騒音がけたたましく鳴ります。そんな騒音の中で、私はなすすべもなく佇んでいました。


その時ふと何かの視線を感じて顔を上げた時、

私は向かい側を走り出した電車の一点に釘づけになりました。


電車のドアの向こう側に立っている髪の長い男の人と目があったのです。

その大きな目をした彼は、私のことをじっと見ていました。


互いに目を合わせたまま、電車は走り去って行きました。

このたった数秒の間に、ある物語が私の中に入り込みました。


「彼は人ではない。。。!」

そう直感しました。

彼はこの汚い駅にずっと住んでいる「何か」でした。



それから私の中に入り込んだ物語が頭を離れず、家に帰り着くとスケッチを描き始めます。

悪戦苦闘しながら、ある絵本を作り上げました。

それがこの『ちかてつのおばけ』です。


アメリカの出版社に何箇所か営業しましたが、なかなか受け入れてもらえず、帰国したのちにも当たってみましたが惜しいところで終わってしまい、この話はお蔵入りになっていました。




去年の年末、記憶から消えていたこの物語をふと思い出して、動画で公開してみようと思いたちました。主人も快く編集をしてくれ、あっという間に出来上がりました。


絵本というと、子供のもの。

この物語は子供向けではないかもしれませんが、子供もまた小さな大人です。大人の世界で一生懸命に生きています。

そんな小さな大人に、日常では見えないものの中にこそ真実があるかもしれない。

そんな可能性を感じてもらえれば嬉しいです。


もしご興味があれば是非ご覧ください。





あの時、あの場所で出会った「彼」に、この物語を捧げます。