本当は、自分とは、何もない透明で空っぽな存在なのではないか?という大胆なメッセージを送り続けた人だ。
22年前に描いた「ロードムービー」というわたしの絵本が、まさに彼のいう「頭がない者」の視点と似ているのではないか?という気づき。
昨日、彼の本の翻訳家である高木悠鼓さんの勉強会にいって来た。
前頭葉がばきっと飛び出した、非常に知的な女性だった。
はじめてであった人に、あつかましくも例の絵本を見せた。
「彼がまだ生きていたら、まさしくこれだ!と言ったはずよ。」とうれしい言葉をもらった。
あの絵本は、誰の視点も入れず、ただ自分の中からだけ出てきたものを描いた。職業としてのイラストレーターの視点ではなく。
彼女の著書/「人をめぐる冒険」の中に、
「中途半端に他人のことを考えるよりも、徹底して自分のことだけを考えるエゴイストになる方が、最終的には他人の役に立つのです」
という言葉がしみた。
イラストレーターという職業柄、どうしてもだれかの視点を入れてしまう。それが本来の自分だけの視点を濁らしてしまうことを痛感する。
また、それを押し通すことがおそろしくもある。
30年もひたすら人の視点にそうように(実際そえていたかどうかは置いといてw)絵を描いて来たのだから。
でも仕事で描くもの、そして自分の仕事としての作品は、もう別れてもいい年頃だ。
でも仕事で描くもの、そして自分の仕事としての作品は、もう別れてもいい年頃だ。
彼女の言葉が、背中を押してくれているように感じた。
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