「ああ、あの頃に戻りたいなあ~。。」
っていうのがない。
「二十歳の頃のわたしに戻りたい。あの頃のわたしはキレイかったなあ~」
とか、おもったことがない。
じじつ、きれいでもなんでもなかったわけだが、それでも今よりはマシであった。
幼稚園の時から、老け役で舞台に立つほど、すでにばばあだった。先日もダンナといると、親子と間違えられた(もちろんわたしが親)。これで3回目だ。
ダンナが見た目が若く見えるのと、わたしが見た目が老けて見えるのが、ちょうどいい感じにブレンドされて、母と息子に見えるらしい。
なんでかしらんが、ちっちゃい時から、早く年をとりたいとおもっていた。だからおかあさんの役や、おばあさんの役をもらうと、うれしかった。
今まさに、その憧れの年齢に突入しはじめている。しかも見た目は実年齢より、15歳ほど上だ。大成功だ。
だからなのかどうか、マイナス5歳肌にも興味がないし、化粧もしないし、昔に返りたいともおもわない。
だいたい20ぐらいの時は、ひたすら苦しかった。一般的に言われる「若い=しあわせ=楽しい」というような方程式はなかった。
若くて楽しい毎日があったなんて、思いだせない。
みんなは本当にあの頃に帰りたいんだろうか。いい思い出だけ残してるんじゃないか?じっさいのところ、いろんな苦悩があったはずだ。しかも若いが故に犯した罪など、思いだしただけで落ち込むことがいっぱい。
「青春時代が夢なんて、あとからほのぼの、思うもの~。
青春時代の真ん中は、胸に刺さす、ことばかり~」
って、森田公一とトップギャランがうたってたけど(古っ!)、わたしにとっちゃあまさにあれが本音。
あの頃に戻りたいなんて、ムリムリ!むしろパス!
だから、20の頃よりも、30。
30の頃よりも、40。
40の頃よりも、50の今の方が、生き方も、姿形もすき。
ちまたにあふれている情報は、
「若いことは正しいことで、老いることはいけないこと」
みたいな考えを植え付ける広告や番組ばかり。
人は平等に年をとり、じょじょに衰えて、死にいたる。
それこそ自然の摂理。
それに抵抗することは、エネルギーをそれにそそぎつづけ、どれだけだいじな力を失っていることか!
「あるがまま」ってことばがはやってるけど、これは簡単に言える言葉じゃない。
その自然の摂理を真正面から受け取ることなのだ。
昔、日本人は老いることは誇りに思うことだったし、みな老人を尊重していた。今はどうだ。まるでアメリカ人のようだ。
アメリカに住みはじめた頃、老人が「老いていてすみません。。。」というような雰囲気を出していて、それを見た時ショックだった。
今、日本にもそんなムードがあふれている。
過去なんて、とっくに過ぎ去ったもの。
追いかけたって、帰ってきやしない。
そこにエネルギーを必要以上に注ぐから、より老化が早くなるのだ。
老化?
ほっちょけほっちょけ。
ほっちょけほっちょけ。
そんなもなあ、あなたの存在価値の中のびびたるものよ。
絵:「北条政子」の似顔絵(うそw)
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