切り絵の教室をやっている。
生徒さんが、時間内に制作を仕上げようとあせっている。
あせる手がもつれて、作品が荒くなっていく。
わたしが「時間は少しオーバーしても大丈夫ですから、ゆっくりやってください」
と言っても、あわてている気持ちは止まらない。
理屈ではわかっているけれど、早くやらねば!というおもいでいっぱいになっていた。
「今、そのもっている紙、ノリをつけていること、貼ること、いまやっているそのことだけ見て下さい。その今もっている紙の触覚、ノリをもって、塗っている触覚。その感覚の中に入って下さい。。」
思わずそんな言葉がでる。
ほんの1分ほどで、彼女の焦る気持ちが消えているのに気がついた。今、この瞬間に、彼女はあった。
静かな時間が流れた。
かなりかかるかなと思われた作品は、10分オーバーしただけで出来上がった。
紙を切って貼るという行為は、指先に直接的にかかわる。
紙の柔らかさ、繊細に扱う指の感覚、カッターの鋭利さの神経の使い方、ノリを扱う時の俊敏さ、丁寧さ。。。
すべてにダイレクトに今の感覚をとぎすます。
まさに、今、ここにいる感覚を、直接感じることが出来る手法だということを、あらためて知る。
現代人はいつも頭の中に住んでいる。
目の前に起こっていることよりも、ちょっと先に心がいる。
その時、目の前のものは見ていない。
感覚に還る。
今、目の前のものが見え始める。
4 件のコメント:
い、いつの間に教室が。。
私も習いたいわぁf(^_^;
そんなんやってたんですね!!どこで?
良いですね!
個展行けなくてごめんなさい!m(__)m
麻里さん、
あはは。東京まで習いにくる?
一度教えてあげる。
ぱぱさん、
あれえ〜?
知らんかったっけ?
うちでやってるよん。
滅多にやらない、謎の教室。神出鬼没w
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