うまいサトイモを食っても消えていく。
うまい麦汁を飲んでも消えていく。
お金が入っても消えていく。
寝ていても目が覚める。
若いつもりでも老けていく。
安定した生活は長くは続かない。
しかし、
まずい料理も消えていく。
まずいぶどう汁も消えていく。
風邪も消えていく。
しんどいことも消えていく。
花粉症も夏になると消えていく。
貧乏がとまらないこともない。
金持ちがとまらないこともない。
ぜんぶが、現れては消えていく。
草も、野菜も、雲も、風も、光も、闇も。
怒りも、哀しみも、やったーっ!って気持ちも、
全部、みごとに、現れては消えていく。
なのに、人々は安定を求める。
「どこかに絶対的に安心できる法則があるに違いない。」
と、ずーっと求め続ける。
安定した収入、
安定した仕事、
安定した人間関係、
安定した健康状態、
安定した心、
安定した気候、
安定した国、
安定した政治、
安定した経済。。。
そんなもん、あったっけ?
安定した収入、
安定した仕事、
安定した人間関係、
安定した健康状態、
安定した心、
安定した気候、
安定した国、
安定した政治、
安定した経済。。。
そんなもん、あったっけ?
ひょっとしたら、そんなもん、ないんじゃないか、はじめっから。
ないものを探し求めるから、苦しかったんじゃないか。
だからお釈迦さんは「人生は苦である」って、いったんじゃないか。
じぶんの人生振り返ってもそうやった。
ずっと同じことが続くことってなかった。
すべてが変化しつづけたし、今も変化し続けている。
ずっと変わらなかったのは、
この心の中の
「どこかに安心できる、安定した法則があるに違いない」
と、求め続けていた心だったんじゃないか。
その考えにしがみついていたのかも知れない。
不安だから。
その「安定したい願望」が、こころにあらわれたとき、
そこには不安な感情がある。
その感情を消そうとはせず、
ただその思いや感情とともにいよう。
それもやがて消える。
絵:「とらのお」/和紙、洋紙、水彩
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