おとつい、畑で草刈りをしていたら、畝と畝の間に小さな踏みしだかれた道がついているのを見つける。
草が生い茂ると、畝だけでなく、畝間にも草がぼーぼー。なのにそこだけ草がない。寝そべってのぞいてみると、草のトンネルはずーっと東側のフェンスのほうまで続いてた。
けものみちだ。。。
今日も相変わらず草刈りをしていると、「ザザザ」と、草を分ける音がする。立ち上がって音のする方を見ると、草むらから、ザッと、毛もくじゃらな物体が飛び出てきた。茶色いもこもこしたヤツは、一直線に西に向かって走って行く。あっけにとられて見ていると、そのあとからもう一匹が飛び出してきた。
たぬきだ!
二匹は静かに、猛スピードで、大きな太いしっぽをゆらしながら、畑を横切って行った。
きのう見つけたけものみちを通っている。あそこは彼らの通り道なのだ。草を刈り、耕したばかりの畝には、彼らの足跡が点々と着いていた。
ジャガイモを掘り起こし、ダイコンをかじり、ナスの畝をぼっこぼこに掘り起こしていたのは彼らだったのだ。あのつんととんがった鼻で、地面を掘り起こし、芋やミミズを食べているのだろうか。
ぐふふ。いいものみちゃったぜ。
ひとり手を叩いてよろこぶやまんば。
それからしばらくしてけものみちのあたりを草刈りし、立ち上がって腰をなでていると、西の方からさっきの彼らがこっちに向かって走ってくるのがみえた。
「げ!」
一瞬襲われるかと思ったが、そのまま動かないで様子を見た。
タヌキは一直線に私の方にやってきて、足下30センチの所でぴたっと止まった。
人間のにおいを嗅ぎ付けたのか。クンクン鼻を鳴らしている。
やまんばはぴくりとも動かない。
彼はなにごともなかったかのように、私の脇を通り抜けて行った。
それを追いかけて、もう一匹もこっちに走って来た。
二匹目も私の黄色い長靴30センチ先でぴたっと止まる。顔を上げてクンクンと匂いをかぐ。タヌキの目は小さかった。あるかないかほどの小ささで、タヌキの目はあまり利かないのかな?と思わせた。そしてこの彼は、くるっときびすを返して、もと来た方向に走って行った。
プッチプチにまるまる太ったたぬきは、まだ若い兄弟なのか。真っ昼間にこんな所に出て来るなんて無防備もいい所だ。だけどただ走るのが楽しくて、兄弟で追いかけっこをしていたのかもしれない。
先頭を切っていたのはきっと兄ちゃんだ。弟は兄ちゃんのあとを追いかけていた。
兄ちゃんは、いつも走るけものみちに、異物(つまり私)を感じたが、果敢にその場をすり抜ける。
弟は兄ちゃんの無謀さを見て、慎重に難を逃れた。
どこかの人間の兄弟にもそんな構図がありそうだ。
畑はいつもおもわぬ発見をくれる。
2 件のコメント:
金網破れたの??
ちゃうちゃう。
10センチの隙間から、入ってくるんよ。
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