「つくしさん、絵が売れたよ」
大将からの、嬉しい電話だった。
「え?うそ!」
「ホントだよ~。絵をみて、『これ買う!』って、即決してくれたよ」
なんてことだ。
5月の展覧会が終わって、西麻布にあるおでん屋さんに食べに行ったときのこと、
「ウチに君の絵を置かせてくれないか?」
と、思わぬ展開になった。
「いいんですか?」
「いや、こっちこそ、いいかい?」
大好きな大将のお店に飾ってもらえるなんて、光栄だった。今までその店の壁に、絵は一度も飾られたことがない。美意識の高い大将の店の、30年間の歴史の中で、はじめてその大事な壁にわたしの絵が飾られるという栄誉をもらったのだ。
そこで絵が売れるなんて、二重のよろこびになった。
そしてきのう、大学時代の友だちといっしょに食べに行く。
大将が気をきかせてくれて、絵を買ってくれた方に前もって連絡してくれていた。その方は忙しい合間を縫って、わざわざでむいてくださった。ステキな奥様と、ステキな家族に囲まれた、ステキな紳士だった。
絵の話は、そのうち畑の話までひろがり、そしてまた私の友人との接点もあり、ちいさなおでん屋さんは、大きなよろこびであふれた。
絵は作家にとって、自分の分身のようなものだ。その絵が、ステキな雰囲気の場所にお嫁に行った。嬉しいような、こそばいような。心がワクワクする。
彼のオフィスで、「彼女」が少しでも和む空気がつくれたなら、それを生み出した親としては誇らしいなあ~と、しみじみおもった。
関西風のだしがきいた、おいしいおでん屋さんです。
しばらくつくしの絵が飾られています。もしご興味のある方は、おこしください。
『味覺』
〒106-0031 東京都港区西麻布1-15-3
tel: 03-3405-4728
8席のカウンターのみですので、予約された方がいいかと思います。
4 件のコメント:
良かったね��
高尾庵さん、
ありがとー!
おめでとう!
気持ちは娘を嫁に出す感じなのか?
それとも、一所懸命作った料理を食われちゃった?
どっちに近いんだろう?
ありがとー、ぱぱさん。
娘をヨメに出す感じかな?
あとのこと心配するあたりも似ているかも。
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