2013年1月8日火曜日

人は繰り返しを求めるが決して繰り返されない、、ってか?


人は繰り返しを求める。

は?そりゃあたりまえだろう。

このジレンマが人生を不幸な気分にさせる。

やまんばはパンを作る。なんてえ特徴もないただのパン。
いつものように「あれ食いたいなあ」とつくる。んで、余っちゃうから人に押し付けてくる。だが思いもよらぬところで「おいしかったー」なんて言葉が返ってくる。

「いや、あれ、ちっくと失敗したがやに。。。。」と、とまどう。しかし心の深いところで「おいしかっただってえ?ちょーうれしい。」と踊ってしまう。
んで、また作って人に押し付けてくる。

すると不思議なことに、あの言葉が返って来ない。
「ん。。。?なんかおかしい。。。なんかたりないぞ。。。」
そのとき、自分があの言葉が聞きたいがゆえに作っていたんだということを知る。

あの言葉が欲しいのに!あの言葉を聞きたいがゆえに作ったのに!なんであの言葉が返って来ないのー!と。

ところが、その期待した言葉はパンについては語られなかったのに、畑の野菜について「おいしかったよー!」と語られていたりする。

だが、エゴはパンについて聞きたいのよ!パンのこと言って!と叫ぶのだ。

人は繰り返しを求める。
一度味わった「たのしい」ことは、もう一度同じパターンで味わいたいのだ。
だが一番最初にやってきたその言葉には「は?」だったのだ。ピンと来ていないのだ。
けれどもあとからじわじわとそのよろこびを噛み締め、くりかえし思い出し、
「フッフッフ。。またその快感を味わうんだぜエ~」と策を練りはじめる。

ところがこの世はうまいことできていて、けっして同じ快感を味わわせてくれない。まるでやまんばの欲深さをあざ笑うかのように、別の状況を作ってくるのだ。

こうして人は思ったようにいかない人生を不幸なものだと思い込む。
こうあって欲しいのに、そうならない自分をなげく。だけど、こうあってほしいの「こう」は、一度きりなのだ。その「こう」が最初にやって来た瞬間、心は嬉しさよりも驚きを感じている。
ところがその驚きが時間を追うごとに反芻されて、どんどん嬉しさに変わりはじめる。思考は次第にそれを求めるようになる。「もう一度あのシーンを!」と。
だけどそうは問屋が卸さない。


もし、思考はそういうパターンを持っていて繰り返しを求めるが、現実は同じパターンを決して作らない、という事実を知ると、人生って不幸じゃなくなるんじゃないだろうか。

やまんばはパンに対する言葉ばかりを求めていて、その人が別のことをほめてくれていることに気がつかなかった。

一瞬一瞬、この世は新しいことがやってくる。
二度と同じことはやって来ないことを知るのは、実は人生を味わえる醍醐味じゃないだろうか。いつも次の瞬間に何がおこるかをワクワクしながら観察していると、きっとその友だちが言った野菜がおいしかったの言葉に、やまんばはちゃんと反応するだろう。
そしてそのあとはそのことさえも忘れて反芻することもなく、日々瞬間瞬間を生きるんだろうな。

畑にも同じことがいえる。
正月開け畑に行くと、大根がほとんどサルに食われ尽くしていた。育ちはじめていたブロッコリーも頭からがっぷりくわれ、ニンジンは好き勝手に引き抜かれていた。
毎年同じことはくりかえされない。こんなことは今までなかった。大根食うとは知らなかった。

人間は繰り返しを求める。
こうやったら、きっとこうなるはずだ、と言う思いは、安心や保証が欲しいからだ。だが人生は決して同じパターンをふまない。春が来て夏が来て秋が来て冬が来るが、決して同じパターンではない。瞬間瞬間がまるで新しい。畑もきっと去年までとまるで違う姿を見せてくれるんだろう。

その新しさに歓びを感じることが今を生きることなんだろうか。
刻々と変化することを恐れるのではなく、味わうことなんかも。
なんてねー。



2 件のコメント:

まいうぅーぱぱ さんのコメント...

風邪引いてちっと寝込んでます・・・。

さて、今度は大根ですか・・・よほど食べ物不足なんでしょうなぁ・・・。座ったあとは残ってましたか??ちゃんと残さず食べてましたか?一齧りで全部。ってこたぁないよね(笑)

パンのこと。こんな話を思い出しました。
「今日の君は綺麗だよ!」
「アラ・・・いつもは綺麗じゃないかしら?」
(笑)
「いやいや・・いつも美味しいパンだよ!」
って。

つくし さんのコメント...

ありゃりゃ、たいへんだあー。
色々疲れも出ているんでしょう。ゆっくりやすんでください。

大根、にくったらしーことに、首もとだけかじります。かじってぽいぽいすててあります。引っこ抜けない奴は、地面ぎりぎりまでかじってあります。(這いつくばって食ってる姿を想像するとほほえましい)どうも首もとあたりがお好きらしい。
遂にニンジンもぜーんぶくっちまいやがった。ほうれん草もブロッコリーも、あとかたもなく。

褒め言葉は「今日の君はまた特別きれいだよ!(今日のパンはまたこじゃんとうまいパンぜよ!)」といいましょう。
オンナはどこまでも欲深いのだ。