最近、アニメを見た。
「パプリカ」と「竜とそばかすの姫」
宮崎駿時代のアニメとはまた違う、
内面に向かう映画が多いように思う。
宮崎アニメは、外にいる敵と戦っていた。
最近のアニメは、内側にいる闇と向かい合う、
もしくはそれに共感する感じだろうか。
その中で「心のそばに」という歌が良かった。
背中に傷を負い、苦しむ竜に、姫は優しく呼びかける。
「聞かせて。あなたの恐れ、怒り、悲しみ」
「これは聖霊の呼びかけだ」
と、旦那が気がついた。
そう思ってみると、
背中を向けて体を強張らせている竜は、
心と体が傷ついて苦しむ私たちだ。
重く苦しく暗く硬い存在。
だけどそのそばにいる存在は、明るく軽い。
そばかすの姫BELLは、優しくささやく。
「聞かせて、あなたの苦しみを。
そうしたら、私がそれを取り消してあげる」
まさに聖霊の視点。
私たちは無意識に閉じ込めた罪悪感を背負っている。
その罪悪感を投影して、外に罪を見て攻撃する。
しかし心は一つなので、外を攻撃すれば、同時に自分をも攻撃している。
苦しみは増していく。
しかしそれを聖霊は常にそばで呼びかけてくれている。
「それを手放したくはないかい?
それを私に見せておくれでないかい?
それを私に聞かせておくれでないかい?
そうすれば、私はいとも簡単にそれを取り除くことができる。
その闇を光で消すことができる。
なぜなら、そんなものはないことを私は知っているのだから。
あなたは闇ではない。
本当は光であることを私は知っているのだから」
闇を背負った私たちに、それを取り除くことはできない。
なぜなら、闇が実在すると信じているから。
信じているからこそ、それに苦しむのだ。
あると信じているものに、それを取り消すことはできない。
だからこそ、それがないことを知っているものに、
聞かせ、見せていくのだ。
この歌は、意図せずして作られたのだろうか。
それともそこに作者の意図はあったのか。
インスピレーションは、誰の心の中にも入ってきて、
それが表現された時、
みんなの心に浸透し、流れを大きく変えていく。
絵:「神話」/和紙、洋紙
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