2022年3月25日金曜日

心のそばに

 


最近、アニメを見た。

「パプリカ」と「竜とそばかすの姫」


宮崎駿時代のアニメとはまた違う、

内面に向かう映画が多いように思う。


宮崎アニメは、外にいる敵と戦っていた。

最近のアニメは、内側にいる闇と向かい合う、

もしくはそれに共感する感じだろうか。



その中で「心のそばに」という歌が良かった。


背中に傷を負い、苦しむ竜に、姫は優しく呼びかける。

「聞かせて。あなたの恐れ、怒り、悲しみ」


「これは聖霊の呼びかけだ」

と、旦那が気がついた。


そう思ってみると、

背中を向けて体を強張らせている竜は、

心と体が傷ついて苦しむ私たちだ。


重く苦しく暗く硬い存在。

だけどそのそばにいる存在は、明るく軽い。


そばかすの姫BELLは、優しくささやく。

「聞かせて、あなたの苦しみを。

そうしたら、私がそれを取り消してあげる」


まさに聖霊の視点。

私たちは無意識に閉じ込めた罪悪感を背負っている。

その罪悪感を投影して、外に罪を見て攻撃する。

しかし心は一つなので、外を攻撃すれば、同時に自分をも攻撃している。

苦しみは増していく。

しかしそれを聖霊は常にそばで呼びかけてくれている。


「それを手放したくはないかい?

それを私に見せておくれでないかい?

それを私に聞かせておくれでないかい?

そうすれば、私はいとも簡単にそれを取り除くことができる。

その闇を光で消すことができる。

なぜなら、そんなものはないことを私は知っているのだから。

あなたは闇ではない。

本当は光であることを私は知っているのだから」


闇を背負った私たちに、それを取り除くことはできない。

なぜなら、闇が実在すると信じているから。

信じているからこそ、それに苦しむのだ。


あると信じているものに、それを取り消すことはできない。

だからこそ、それがないことを知っているものに、

聞かせ、見せていくのだ。




この歌は、意図せずして作られたのだろうか。

それともそこに作者の意図はあったのか。


インスピレーションは、誰の心の中にも入ってきて、

それが表現された時、

みんなの心に浸透し、流れを大きく変えていく。





絵:「神話」/和紙、洋紙


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