朝から降っていた冷たい雨の落ちる速度が、
次第にゆっくりになってきた。
そして雪に変わった。
雪の中をコンビニまで歩く。
お山が白くなってくる。
梅の花も凍えている。
だけど
その美しさに心を奪われた。
美しいものを見たとき、私は目の前の風景とひとつになる。
すべてが私の中に入り込んでいるのか。
それとも私がすべての中に溶け込んでいるのか。
形は見えるのだけれど、そこに境界線はなくなる。
雪の冷たさも心地よい。
ひとつになるとは、
昔絵本で見た、
トラがヤシの木の周りをぐるぐる回って、
溶けてバターになる感じをイメージしてた。
でも違っていたのかもしれない。
私たちはそのまんまで、もうすでにひとつなのかもしれない。
概念も言葉も、何もなければひとつ。
だけど概念が、いいもの、悪いものを作り出した。
道の真ん中に犬のウンチが落ちていたらどう思うだろう。
「げ!」と言って、思わず避けるだろう。
「なんでこれを放置する?飼い主の常識を疑うわ!」
とかなんとかぶつくさいうのかもしれない。
その時私とウンチは分離している。
ウンチは汚いもの、排除すべきものと思っているからだ。
みんなウンチするんだけどね。
お釈迦様は、犬の死骸を見て、白い歯が美しいと言った。
お釈迦様の心に、その犬の死骸と自分との間に分離はなかったのだろう。
私たちの中に、受け入れていいものと、
排除すべきものとを分けている。
でもそれが思うようにいかなくて、私たちは苦悩する。
道にウンチを見て、
「か~わい~な~💙」
って思えたとき。
私とウンチはひとつになり、
ここはもっと楽しくなるね。
え?いらんってか。
絵:「梅の木」/和紙
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