「僕、日本を出ます。
もっといろんな世界を見たい。
広い世界に飛び出してみたいんです」
ドラマでそんなセリフを聞いた。
私もそんなことを思っていたなあ。
一体どんな世界が待っているんだろう?って。
7年半のニューヨーク生活の間に知ったことは、
私にとっては、日本が最高だったってことだった。
そして日本に帰ってから、そのことをみんなに伝えたいと思った。
本まで出版してもらおうと編集者さんと取り組んできた。
だけど結局挫折した。
編集者さんには申し訳ないことをした。
だけど今はそれでよかったと思ってる。
なぜかというと、比較によって、
この国は良いとか悪いとかいうことは、
虚しさを伴う。
アメリカの酷さと比べて、なんて日本はすごいんだ、
などと今は言いたくない。
冒頭の彼のセリフには大賛成。
日本を出てもっと広い世界を知って、
世界の価値観をたっぷりみてくるといい。
そしてその価値観が、場所によって時代によって常にコロコロ変わること、
そしてそれは本当は何も意味しないことを知る。
その体験の方がはるかに大事。
だから今の私には、日本がいいとか、
どこそこの国のあり方がいいとか、
何も思わなくなった。
地球は思いのほか小さかった。
形が変わろうとも、どんな形であろうとも、
世界中の人々の心は同じように感じる。
みんな同じことで苦しみ悩み、そして喜ぶ。
形や言葉を取り除いたら、
一つの大きな心が、この地球を取り巻いている。
愛に満ちた心が。
絵:「水仙ちゃん」/越前茶キャラクター
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