2022年7月25日月曜日

やりとげる必要はない

 


やりとげる必要などない。


そんな言葉が耳に入ってきて、ハッとした。


そうだ。私はずっとやりとげよう、やりとげようとしてきた。


ゴールはあそこ。

でもそのゴールに達成できなければ、私はここにいる資格などない。


そうやって自分を叩き続けてきた。

もっと頑張らねば!もっといいものを作らなければ、、、!


極端な話、自分の生き死にに関わることだった。

だから仕事の依頼が来た時、

「これをやり遂げなければ、私は死ぬしかない。。。」

とまでの緊張感に圧迫されてきてたのだ。




納期がある時はそこに突き進むことができた。

納期という山に向かって突き進んできた。

苦しんで苦しんで山を乗り越えた先の達成感。


しかし依頼仕事ではない自分でやりたいことでさえ、

プレッシャーをかけていた。

苦しんで苦しんで作った方がより良いものができる、と。


で、いつも途中で投げ出していた。


そんな自分を、情けない奴、無能な奴と思ってきた。

頑張ってやり抜いてこそ、ここにいていい人間なのに。。。と。




それが冒頭の言葉でひっくり返った。


やりとげる必要はない。。。?

それはつまり、結果を出す必要がないと言っている。

結果なくして一体何を目指すのだ?





この世界で形を残すことが、この世のゴールだ。


コースはこの世界で何をするかということには全く言及していない。

ではコースのゴール、目的は、つまり真に生産的なものは何か。


それは喜び。その喜びの中にとどまること。


(人が聞いたら、まったくアホみたいな答え)



私はいいアイディアを思いつく。

お!これはいい!絶対やったら面白い!

ウキウキとやっていくけど、だんだんと最初のパッションが消えていく。。。


それは私が無能だからだと思っていた。

そうではなかったのだ。

そこに長年信じてきた信念があったのだ。


「苦しんでこそ、いいものができる」



つまり最初はワクワクで作っていたのに、

その先に待っているゴールの手前には、必ず苦しみが待っている。

その苦しみは、苦しめば苦しむほど、より良いものができると。。。。


そりゃー、無理ゲーだろ。


納期なんてないんだぞ。

超えていく山はどこにあるんだ?

なのにその手前に苦しみが必ず立ちはだかっている。。。(笑)


無理無理ー。


そんな信念あったら、嫌になるに決まってる。


やりとげられなくて当然だった。。。

ここで私はやっとできない自分を赦せた。


やりとげなくていいんだ。

形を求めることじゃなかった。

形を苦しんで求めること自体が、自我の目的だった。

自我は、私たちが苦しんでこの世界で戦い続けることを望んでいる。

そこ、目的じゃなかった。



目的は幸せで「ある子」と。

私の仕事は幸せで「ある子」と。

たとえその幸せの中で形ができようと、それがゴールではなかったのだ。

幸せの中にとどまること、喜びと一緒に「ある子」と。


なんて単純なことなのだ。

だけどなんと深いことなのだ。


その幸せのために、光を遮ってきたもの、

つまり苦しむために作り出された数々の信念を手放していく。

握りしめていた信念を赦し、訂正をお願いする。


それは私の思い込みから、この世界を解放することになる、、、!



秋の展覧会の日程が決まった。


今までは、やりとげることに重きを置いてきた。


だけどもうゴールは違うところにある。

作家自身が楽しんでしまおう。


それこそが、私の役割なのだ。




つくし作品展

11月23日(水)~12月6日(火)


場所:高尾駒木野庭園(たかおこまぎのていえん)

   東京都八王子市裏高尾町268-1

電話:042-663-3611

時間:午前9:00~午後4:00 無休


詳しいことはまた改めてお知らせしま~す。





絵:MF新書表紙イラスト




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