今、依頼を受けて神様の絵を描いている。
一時期、別の世界にいる空想の存在を描き続けていたことがある。
天狗、龍神など、私がイメージする神の世界だ。
彼らはとても静かで、私の心の中にサーっと入ってくる。
彼らは言葉を発しない。沈黙したまま、私の中に住んでいる存在。
依頼された神は、木花佐久夜毘売( コノハナサクヤヒメ)。
瓊瓊杵命(ニニギノミコト)に求愛されたこの上なく美しい女神。
美しいだけでなく、強い意志を持って自身の運命を切り開く。
依頼主のイメージが神のイメージと重なってくる。
この神が彼女の中に入って、世界を輝かせてくれることを願う。
制作中、この位置にはこれを配置し、
ここにはこれが必要、これはここにおいてはならない、、。
なぜだか知らないが、そういう決まり事が次々に浮かんでくる。
突然胸の奥に強烈な熱い想いを感じ、私は泣いていた。
遠い昔、宗教的な絵を仕事にしていた時期もあったのかもしれない。
そんな思いがよぎった。
今の私は、神を外に見ない。
私にとっての神は形を持たない。
それはここにある、あそこにあるというものではなく、すべてだ。
あまりにも大きすぎて、あまりにも強烈な光を放ちすぎて、
私たちには捉えることができない。
今の私たちの力では、それを見た瞬間、気が狂ってしまうだろう。
だからこそ、遠い昔から私たちはその捉えきれないものを、
私たちが感じられる範囲の小さな形に置き換えて、
祭り、大事にしてきたのかもしれない。
神を感じられるものは唯一、喜びによって。
胸の奥がジーンとする、暖かくなる、
そして大いなる静けさと平安の中に、神を認識する。
今の私にとって、それが最大の神からの贈り物だ。
女神の絵には、彼女の胸に大きな光を添えた。
この光が全てに満ちていきますように。
絵:「ドラゴン」
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