ウチの畑に一本のオリーブの木がある。最初は小さな苗で、ほとんど忘れ去られ、ほったらかされて、草とツルにおおいつくされまくり、ときどきおもいだしたよーに、草刈りしてその草を根元に置く。そんな素晴らしーほったらかし農法によって、いつのまにかでかくなった。
しかし花を咲かせるだけで、ちっとも実がならない。
先日、庭師の知り合いの方がひょっこりウチに来てくれた。
畑のオリーブのことを話す。
「オリーブは自家受粉できないから、もう一本別のオリーブを植えるんだよ。」
「あ、そっか!」
「だけど、違う種類のオリーブじゃないとダメだよ」
「え?なんで?」
「同じ種類のオリーブだと受粉しないんだ」
「へえ~、種類って何?オリーブっていろいろあるの?」
「いっぱい種類があるさあ。」
「だけど畑のオリーブの名前がわかんない」
「枝を一本折って植木屋さんに持って行くといい。それでわかるから」
「はは~、なるへそ~」
同じ種類のオリーブの木では受粉しない。
昔テレビである実験をしてたことをおもいだす。
男性陣にTシャツを素肌に一日着てもらい、体臭がオモイックソ着いたそれをビンの中にいれて、女性たちに匂いをかいでもらうのだ。
彼女たちは瞬間にはっきりと、
「この匂い好き!」というのと、「ゲっ!この匂い、だいっきらい!」
と反応する。
だが一人が大きらいでも、他の人は大好きだったりするのだ。彼らの遺伝子を調べると、拒絶反応したものだものどうしは、遺伝子的に近いところにあるらしい。だが好き!ってな匂いは、遺伝子がまったく遠いところにあるそうだ。おもしろくね?それっていわば近親相姦を嫌うように仕組んだ、いわば自然の摂理みたいなもんじゃね?
イヌでも純血種より、雑種の方が強い。自然は雑種に雑種になろうとする。雑種って書くからなんか劣ってるみたいなイメージがあるけど、ほんとは「優れている」んかもしれん。
桜はいろんな種類がある。
山からとってきた桜の種を蒔くと、いろんな種類の桜が生まれる。そこでその中からステキな桜を選んで、その木を移植し種をとっても、やっぱりいろんな種類の桜になるそうだ。
ソメイヨシノは種から育てたのではなく、枝を挿し木にして増やしているらしい。クローンとか、双子みたいなもんだ。だから双子ソメイヨシノが開花するときは、みんないっせいに咲くのだ。
しかし高尾山の山桜はあっちこっちで好きな時期に咲く。ニンゲンさまのつごうにはあわせないのだ。
「ソメイヨシノは実がならないんだよ」
庭師さんはいう。
これは人間の匂いの話と一緒なのか?
隣り合ったソメイヨシノどうしが、
「なあに?なんで姉妹のあんたと実を結ばなきゃあ、なんないわけ?ありえな~い」と、シカトしあっているんだろーか。
クローンはクローンどおしでは、子はできないんか。なんか宇宙の奥深さをかいま見せてくれるなあ。
人間の小学生レベルの感覚では、
「同じものがいっせいに咲くって、きれいよね~」
っておもうけど、高尾の山にうっすらと浮かび上がる淡い山桜の美しさは、大人の気品をかんじさせる。
「この美がきみたちにはわかるかい?」
と、自然は問いかけてくる。
人間はそういう意味では完全な雑種だ。シェパードとかラブラドールとか、名前のついた種類ではない、ありとあらゆるところから入り交じった、とんでもなく雑種な存在だ。イヌでも野菜でも雑種はつよい。
ホントはニンゲンってすごく強い存在なんじゃない?
4 件のコメント:
あ、やっぱり?
そ!やっぱり!
、、、って、なにが。。。?
あ、雑種のこと?
そ、雑種は強いっ。
今日カインズホームでホワイトシェパードの子犬みちゃった。か〜わい〜な〜。セールで21万円だって!
あ、オリーブの話(笑)
あら、オリーブだったのねん。
婿養子とろうか。
あれ?お嫁さんか?
今日畑でオリーブに話しかけたとき、どっちだったかわからんなった(笑)。
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