あなたのその考えは違う。
そう思って私は相手にアイディアを提示した。
もう少しこう考えたらどうだろうと。
だが相手は一向に考えを変えない。
そのうち自分が相手を説得しようとしていることに気がつく。
人を変えることはできない。
そこに分離があった。
あなたと私は考えが違うという前提で、
相手を自分と同じ考えにさせようとしていた。
原因は私にあった。
分離させておいて、融合しようとする試み。
目の前に、みかんとティッシュとプラスティックのゴミがあった。
私はこれらを一つに融合させようとしていたのだ。
この世界の中で融合は不可能。
この三つを一つにするには、燃やすことぐらいしかできない。
しかしこのみかんの中に愛がある。ティッシュとプラスティックの中に愛がある。
その愛だけを見れば、自ずとそれは同じだから一つだ。
この世界で相手を見れば、違いを見る。
あなたはこう考えた。私はこう考える。
ほんのわずかな違いでいい争ううちに、
次第に違いが大きくなって巨大な壁ができる。
みかんも、ティッシュも、プラスティックも、私も、あなたも、みんな被り物だ。
その中身はすべて愛でできている。
この世界の肉眼で違いを見ている限り、心が休まる時はない。
この世界という雲の中から飛び出して、
青空の下で出会えば、
すべては一つだった。
絵:「教えておくれ」
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