「こっちが『いいよ!』って思って、
『よし。聴くぞ!』って心を開いて聴くと、
お客さんの顔が一瞬変わったんだ。
それまで眉間にしわ寄せてた顔してたのがゆるんで、、、」
と、友人はとても楽しそうに話してくれた。
仕事柄いろんなお客さんが訪れる彼女が働くお店。癖持ちのお客さんばかり。
彼女はそれまで肩こりと頭痛に悩まされてきた。
それが最近、彼女の中で何かが変化してきて、体が軽くなってきたようだ。
「なんだ、こんなことだったのかって思う。
それまで何怖がってたんだろうって」
あるお客さんから難しい問題を持ちかけられた。
彼女はあらゆる想定を正直に話し対応した。
その結果うまくことが運び、
感激した客さんから、可愛いプレゼントがやってきた。
その素朴さに、そこにいるみんなが幸せになっていく。
「正直であることがどれだけ自分を解放することか。。
なんで今まで言えなかったんだろうって。。。
だーれも嫌な思いをする人が一人もいないの!
みんな楽しくて、みんな幸せになっていく!」
彼女は真理に触れていた。
私たちは本来喜びで満ちている。
なのにいつの間にか、
「苦しみがあたりまえで、たまにちょこっと喜びがあるだけ。
それが人生ってもんだ。」
と、教わってきたし、そういうもんだと体験して確信をする。
「ほーら。やっぱりね」と。
でもそれも限界を迎える。
にっちもさっちもいかないこの苦しさから逃れられる方法はないのか。
それが単に心の方向を変えるだけなのだと知る瞬間、
この世界の見えかたが変わってくる。
それまで彼女はそのお客さんに「この人はめんどくさい人」と思って、心を閉じて対応していた。
するとそのお客さんも同じように心を閉じたまま、疑いのまなこで反応する。
お客が帰った後、彼女はその人に対して、いろいろ考えてしまっていた。
「それがね。今回あとで全然考えないの。
いつもはぐるぐる考えてたのに。軽いの。
さあ~っと流れていって、はい、おしまい!」
嬉しそうで楽しそうで、魅力的な彼女の顔はますます輝いて見えた。
この世界は鏡だと言われる。
本当にそうだと知るのは、それを体験してからだろう。
なんのことはない。こっち側の問題だったのだと気がついた時、心は解放される。
私たちには二つの考え方がある。
一つは自我からの考え。
もう一つは聖霊からの考え。
心をつぶさに見ていくと、私たちの中にいろんな思い込みがあることに気づく。
一つの出来事を見て、自我はこうささやく。
「ほーら。やっぱりあいつはいつもの態度だ。
警戒してろよ。心を閉ざしてろよ。
人はお前を攻撃する。この世界はそういう恐ろしいものだ」
一方聖霊は、
「あなたには、こういう思い込みを持っています。
それを持つことによって、苦しんでいます。
目の前の兄弟もまた、あなたと同じような苦しみを持っています。
あなたはこの思い込みを手放す気になりますか?
それはまた兄弟をも解放することになります」
自我の声は大きいが聖霊の声はかすか。
それでもいつも私たちはこの二者から、どちらを選択するかを聞かれている。
自我は恐れを選択せよと教え、
聖霊は愛を選択しないかい?とうながしてくる。
あの時彼女は愛を選択した。
心を開いてお客さんに応えようとした。
彼女は見えない大きな一歩を踏み出していた。
絵:ミツバチと親子
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