2011年1月20日木曜日
全自動感情洗濯機
心の時代と言われて、もう何年もたつが、そもそも心がどのような性質をしていて、それをどうやって利用するか?なんて問われたことあったっけ。
このやっかいな「心」の解決法は、たいてい『感情的になった心をコントロールする』ということに終始している。だがそもそも感情的になるのはなんで?その過程を理解しないで押さえつけるだけでは、どっかにしわ寄せがきて、ある日ドッカーンと爆発する。
いやもっと手前の、感情的になっている自分にさえも自覚がない。であれば、感情をコントロールするなんて架空の話になるんじゃないか?
私たちは、もっと自分の感情に敏感であるべきだ。あまりにも無自覚に感情を野放図にしている。感情の垂れ流し。
こう言うと、今度は自分の感情に執着し始める。腹が立つ、悔しい、哀しい、寂しい、憎い、許せない、などなど。
そう、私たちはその感情の洗濯機の中でぐるぐる回っているだけなのだ。その感情が起こるのは、その人がもっている価値観から。その人の価値観と、この人の価値観が違えば、衝突が起こる。この人にとっては、これが価値観なのに、その人にとっては全く違う。これは日常茶飯事。こっちが正しいあっちが正しいともめあっているのが、今の社会の人々が生み出す感情。
これは、しゃあないことではないのか。だって生まれた環境が違って親の価値観が違うんだもん。
そういうどっちがどっちの話は一旦どっかにおいておこう。
それよりも、その憤慨している自分の心を見るのだ。その心を見ると、たいていは、
「それはねえ、あたしはこう思ったからそうしたのよ。それはみんなのためをおもってやったことなのよ。それをあいつったら。。。」
と、自分を正当化するための理由付けでいっぱいだ。
なぜか?
それは、ことが起こったことにたいする、ある種の罪悪感でみたされているからなのだ。どこかでひょっとしたら自分も悪いことしたんじゃないか?と思っているのではないのか。その気持ちの中にいる自分がなんとも苦しいから、自分で自分の中で自分に対して言い訳をしているのだ。
「そうでしょ?わたしはまちがっていないわよね!ね!?」
と、繰り返し繰り返し自分で納得しようとしている。
という、自分の感情に気がついていることだ。
ほんとはみんないい人なんじゃないのか。相手の人もきっと同じようにこっちを怒りながらも、自分もどっかで間違ったことしちゃっているんじゃないか?と心の中で右往左往しているのだ。
ただ、そのことを自覚しているかと言うとあまり自覚できていないと思う。それが心の時代といいながらも、全く心とは何なのかということを知らない時代なのだ。
こんなに物質的に豊かになった。にもかかわらず、心はもっと寂しくなっている。ということは、しあわせ感というものは物質では満たされないということだ。そのしあわせ感は、じつは非物質的なところにあるんじゃないだろうか。つまり私たちがもっている自分の心だ。この心がどう動いてどう反応してどうなっていくのかを知ることが、一番大事なことじゃないかと思うのだ。
心の存在を知ることができるのは、感情だ。
感情は一カ所にとどまっていない。つねに動き回り変化しあふれてくる。この強烈な膨大なエネルギーを自覚のないまま垂れ流すのは、私たちにとって相当な損失なのだ。それはうまく使いこなさいともったいないとおもわない?
感情につねにくっついてくるのは二元論だ。いい、悪い。自分がやったこと、人がやったことにいちいちいい悪いと言う判断を下している。それをするのは一旦やめよう。
たとえば怒りがある。
そこにはいいと悪いという判断が起こる。怒る材料を作った誰かさんのことも悪いと思うし、それにいちいち憤慨している自分にもイケナイ、とおもっている。
そのことを一旦外す。何も、誰もジャッジしない。ただ、心の中に起こった怒りだけを見るのだ。するとまた、「アーダ、コーダ」と心が言い訳を始める。それもよろしい。そのまま喋らせておく。そしてその言葉の上に乗っからない。ただジッとそこにとどまってことの成り行きを観察する。逃げない。苦しい。(わかる〜)しかし逃げない。そこに踏みとどまる。
すると何かが起こってくることに気がつく。その怒りはぱたぱたぱた。。。と消え始める。
自分の中にある怒りがなくなっていくこの瞬間をもしとらえられたなら、なんだ、感情ってこんなものだったんか。。。と気がつくはずだ。あんなにも巨大にふくれあがった怒りが何もジャッジなしで見ることによってしぼんでいくのだ。それは以前書いた痛みが消えていくのにも似ている。私たちは心と身体は二つの別のものと思い込んでいるが、本当は全く同じことなのかもしれない。心のうごきや構造を理解できたなら、身体もそれにくっついて反応するのだとしたなら、何よりも先に、自分の心を見ることが、すべての鍵を握っているんではないだろうか。
忙しい中のほんの一瞬でもいい。まず自分の中の感情を見つけて欲しい。
絵:「COOPけんぽ1月号/梅とモズと、のんべの妖精」
登録:
コメントの投稿 (Atom)
4 件のコメント:
思っていること、伝えたいことを正確に
相手に伝えるのって、とても難しい・・。相当会話を重ねてもすれ違います・・。日本語<->英語も同じ。
そう。思っていることを伝えるのって難しいよね。。。
っと、思う心を見るんです!
相手を非難するでもなく、自分の至らなさを責めることもなく、ただその悲しがっている自分に気がついていることなんです。
達観ですなぁ・・・。
私はまだ、モドコ・・・。
そんなに自分を責めないで〜。
コメントを投稿