2010年12月18日土曜日
最初のインプット
「こんなアラグイ歯で、よく大口あけて笑うなあ」
これがウチのダンナの私の印象。私は歯並びがチョー悪い。しかし本人はちっとも気にしていない。それは前歯が外れたとき、「お、ゲージツ的な歯並びだ」と母に言われたからである。子供の私は、「人のはずらっと横並びなのに、私のだけがたがたしている。かあちゃんはこれがゲージツ的だといって「ほめて」くれた!」(と、おもいこんで)喜んだのである。
それが私の自分自身の歯にたいする印象。「歯並びが悪いのは、かっこいいのだ」と。だから大口を開けて笑う。
だってかっこいいんだもん。
ここには二つの価値観の違いが存在している。
1:歯並びが悪い→かっこいい
2:歯並びが悪い→かっこわるい
母にほめられなければ、(ほんとはほめていなかったかもしれないが)私は今頃、口に手を当てて笑っていたかもしれない。
どうも最近思うのだ。人は最初のこれがいい、これが悪い、と言う価値観のインプットが、そのまま続いていくのではないかと。
そもそも感情が揺れるのは、その価値観のいい、わるい、という判断がなせるわざなんじゃないか?
つまり、真っ白なキャンバスに最初に塗られた色、又は最初に描き込まれた○か×かで、判断基準を作ってしまい、それは気付かないまま大人になってもその価値基準を続行させ続けるのだ。ヨメと姑がやり合うのは、生まれた時にインプットされた価値基準がまるで違うからだ。姑とダンナは価値基準が一緒だ。当たり前だ。ダンナの価値基準は、その母親がインプットしたものだからだ。
ひょっとしたら、人間は、ものすごーい単純なのかもしれない。
真っ白なコンピューターに、ある日「歯並びが悪い」という言葉が入ってくる。と、同時にそれはいいこと、悪いことという判断が一緒に添えられる。「歯並びが悪い」というアイコンをクリックすると、私のコンピューターには「かっこいい」という文字が出てくる。しかしダンナのアイコンをクリックすると「かっこ悪い」と書いてあるのだ。ダンナはダンナで、歯並びにたいする価値基準が、どこかでインプットされている。
私の「白髪」というアイコンをクリックすると、「かっこいい」と書いてある。母の「白髪」というアイコンをクリックすると「みっともない」と書いてある。
私の「ほっぺた真っ赤」というアイコンには「かっこ悪い」と書いてある。ダンナの「ほっぺた真っ赤」というアイコンをクリックすると「かわいい」と書いてある。
最初にそれがしのび込んだら最後、延々とその価値基準のまま、人は行動するのではないだろうか。
その基準が「みっともない」とか「かっこ悪い」と心を動揺させるのだ。感情的になるとは、この価値基準がもとになっているにちがいない。人はポジティブな価値観よりも、ネガティブな価値観に心を動かされる。ほっぺた真っ赤が恥ずかしいと思う私は、つねに自分のほっぺたの色を気にする。鼻の頭に汗をかくのが恥ずかしいと思う人は、つねに鼻の頭の汗を気にする。最初の第一歩の、その項目が出来上がった瞬間の、いいわるいに振り回され続けているのだ。
小さい時、その真っ白なコンピューターにアイコンは爆発的にふえる。
そのアイコンの中には、最初にインプットされた価値観、「いい」「わるい」という単純な価値観が入り込む。
少し大人になってもう少し複雑な心境も入る。ここちよい、ここちわるい、キモイ、キモくない、損、お得、勝った、負けた、好き、嫌い、えらい、えらくない、すごい、すごくない。。。。。などと。だが依然としてそこには二元論が展開されている。
たったこの二つの価値基準が、人同士を争い事に持っていく。二人の人間の後ろには膨大な数の二元論がひしめき合っているのだ。それは子供の頃にインプットされた価値基準によって。。。。
続く。。。。?
絵「ハーバードビジネスレビュー」扉イラスト
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2 件のコメント:
良いか悪いか、どう思うかはともかく、
子どもは皆親の言うことをきいて育つ
動物です。
そうじゃないと生きられない。とプロ
グラムされてるから・・。
だから、やってはいけないことはいけない!
と育てなければいけない。
不幸にして親が破たんしてると、放置に
走る・・。子どもはそれでも親の喜ぶ顔
が見れるようにふるまう・・。ケドどっか
で無理がでて、子どもも破たん・・子ども
が大きくなって、今度は自分の子をどう育
てればいいか教えてもらってないから。
同じように、放置して育てる・・・
負のループです・・。
ほめられて育った子は、ぐれません!が私の
主張。ほめて育てたかなぁ?が私の疑問。トホ
ちゃんとほめて育ててるよーにみえるよ、ぱぱさん。
それにしてもぱぱさんはいつも、自分はちゃんとやっているんだろうか、なんだかなあ〜と言うコメントが多いね。
そんなに気にしなくていいのに。いいぱぱさんです。私もこんな父親が欲しかった。
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