2010年10月31日日曜日
やさしさの押し売り
いじのわるいやまんばは、さいきんおもうのだ。
このペットボトル一個買うと、どこそこの貧民国に住む人々に物資が与えられるとか、このケーキひとつ買うと、恵まれない子供たちに愛が供給されるとか、車一個買うと、もれなく砂漠化した大地に木が一本植林される、なんて言う商品のCM。
なんだかねえ。やまんばは、そーゆーコマーシャルを見るときもちがわるくなるのだ。
「まあ、このペットボトルをあたしが買えば、貧しい人々が喜ぶのね!ああ、さっそく買ってあげましょ。私って、ホントにやさしいわあ」
となるのかねえ。
ちまたではなんとな~く、やさしくしなければイケナイ傾向がただよっている。人にやさしく、弱いものにやさしく、地球にやさしく、ついでにアメリカにやさしく思いやり予算。
災害にあったどこそこの国のことが心配です。お知り合いになった農家の方の地方の天候が心配です。ああ、心配心配、そんな心を寄せる私ってやさしい。。。
その一方で、子供の先生に腹を立てて許せない。ついでにダンナも許せない。
遠くの人を心配してやさしい気持ちになり、近くの人間に牙を剥く。やさしい心は距離が必要なのか。自分の身に関係ないものには愛をたんまり捧げられる。だが自分の身に危険が及ぶと攻撃する。
コマーシャルは、人の良心に訴えて来る。これを出来るあなたは「やさしい人」。と引き込んで来る。人間の良心をくすぐるのだ。地球温暖化の話もそうだ。人間が出すCO2が原因だから、あなた、なんとかしなさいと。桁違いに排出される工場は優遇されて、一般市民にC02を出すなという。市民は「地球のためだから」と思い込まされて、電気を消す、節約する、息を止める。無茶だ〜。
「やさしく。。。やさしく。。。」と洗脳されると、無意識にやさしくしなければと思う。そうすると表にはっきりあらわれたやさしさの行為がしたくなる。冒頭のコマーシャルの商品を買いたくなる。エコキャンペーンで省エネの冷蔵庫も買いたくなる。(洗脳、成功)
「地球にやさしくすること」はエコキャンペーンに乗ることだから、冷蔵庫を買う。本音は、冷蔵庫は新しい方がいいし、今買えばお得だから。
でも頭では「いいことしている」と納得しようとしている。だから子供にも「地球にやさしくしているのよ」という。するとまにウケた子供が、「きのう、ママは冷蔵庫を買って、地球にやさしいことしたんだよ」と、学校で発表する。先生は「それはいいことをした」とみんなでほめる。その子は、そう思い込んだまま大人になる。こわくね?
本当に自然にやさしくと思うなら、そんなもん買わないがほうがいい。冷蔵庫一個作るために排出されるCO2はどれだけ莫大か。だがC02を出さないことが地球にホントにやさしいことなのか?
そういうへんちくりんな「やさしさのカタチ」が今の世の中ひろがっている。
今買えばお得だから買うという、単に欲のある行為を「地球にやさしい行為をしている」と置き換えてしまっているのだ。「私って欲深いわよね〜。ははは〜」と認めちゃばいいのに。
そしてなお悪いことに、子供にまでその行為を「いいことをしている」と教えている。
それは遠くの人には愛を与えられるが、近くの人とは憎しみあう行為とあまり変わらない精神構造ではないか?憎しみ会う心がある分、他に愛を注いでバランスをとっているのか?それはほんとのやさしさなのか?
道で手かざしをして愛をくれる人がいる。本人は本気で愛をくれているのだろう。けれどもそれを素直に受け取ることができないのは、そこに何か別の意識を感じるからではないだろうか。
やさしさは表に「どうだ!これがやさしさなのだ!」と現すものではなく、そこはかとなく、相手に気付かぬように行うものだ。それはほんわかとあったかく、意識にも登らさぬ行為なのだ。あ〜そんなやさしい人間になりたいもんだなあ。やまんばはまだやさしさの押し売りばあさんなのだ。
絵:「M−1戦国史」表紙イラスト
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2 件のコメント:
ですね。
先日も、どっかの町に下りてきた熊を射殺した。
と言うことで愛護団体やら、遠くの方々から、
抗議の電話が殺到した。と言うニュースがあり
ました。
あと、豪州では、鯨より絶滅寸前の我々を保護
して欲しい!という切実なアポリジニからの訴え
があったとも聞いてます。鯨のためには、船を
仕立ててまで抗議に行くのに・・・。って。
でも、自分も気付かぬうちに同様のことをして
る気もする。(超音波でイノシシを追っ払お
うとしてるしね)
出た!秘密へーきの超音波!
きのう、ぱぱさんがひそかにしかけておいたしみつへーきをみつけたぞい。しかし相当近くに寄らないと、赤いランプがつかなかったなあ〜。あやしーなー。
やまんばといたしましては、イノシシさんとはフェンス越しの関係だけにとどめたいんですが。。。でもせっかくぱぱさんが、アメリカから買って来てくれたんだしなあ。断れんしなあ〜(って、断ってんじゃねえか)。
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