2010年10月14日木曜日
虫除けと言う名の虫殺し
「芽がでないのよ~」
近所で畑をやっているおばちゃんがなげく。秋からまき始めた野菜の芽がでないのだと言う。よくみたら、出るにはでているが、双葉が虫に完全に食われてしまっている。出ても出ても食い尽くされるようだ。大根の葉っぱも食い荒らされて頼りなげだ。連日の雨で土の跳ね返りで土だらけになり、より悲劇的に見える。
先日、そのおばちゃんが彼女の畑でこう言った。
「やっぱり虫除けしなきゃね」
手には白いプラスティックのボトル。
「あたしはこのにおいがいやなのよ~」
畑の畝に大根の新芽。その横に白い顆粒状のものが撒いてある。
私は「ああ、そのにおいに刺激されて虫が逃げるんですね」
と、いった。
家に帰って晩ご飯を食べながら、ふと虫除けってなに?と思った。アホな私は何時間もたって気がついた。虫除けって、農薬?
オ。。。、オ、なんとかっていってたよなあ。
ネットで農薬の種類と検索してみる。すぐに出た。オルトラン。なんだあ、農薬っていってよね、おばちゃん。
ネットによると、オルトランは、浸透移行性の優れた殺虫剤。その養分を野菜に吸わせ、それを食べた虫が死ぬと書いてある。へ?それって虫除け、じゃなくて、虫殺しじゃねえか。しかもそれを撒いた何日間かは、野菜自体を食べてはいけないとも書いてある。食べちゃいけないってえのは、つまり何かしら人体に影響があるということだ。なんだかおっかないものをつかっているんだなあ。
わたしゃ、農薬は、散布して葉についた何かを虫がなめて死んじゃうのか、もしくはその土の上に撒かれたものを虫が食べて死んじゃうのかと思っていた。だから洗えばすむものかと。そうではないらしい。野菜そのものに吸収させてそれを食べた虫が死ぬ。えらいこっちゃ。そんなもん食っているのかおばちゃんは。
そのオルトランは人畜無害でかれこれ30年近くも使われているんだそうだ。しかし注意書きには手で直接触るなとか、散布する時はマスクしろだの、撒くのは年に何回だの、撒いたあとしばらくは収穫するなだの、なんやかやと注意しろとたたみかける。人畜無害なんだから何も心配するこたあねえんじゃないのか。人畜無害なんでしょ?
もっと読むと、中毒を起こすとも書いてある。あれ、無害じゃなかったっけ。
虫除けと称して虫を殺し、無害と称して中毒に気をつけろという。なんだか建前と本音がありそうだなあ。
でも「虫除けするのよ」って言った方が「農薬撒いているのよ」と言うより、使っている側もどこかで安心する。ようするに自分の心を納得させているんだな。「オルトランは無害よ」というのも、一種の呪文のようなもんかもしれん。「大丈夫、大丈夫」といっているようなもんだ。そういいながら心の中で「気をつけなくちゃ」と思っている。安全とは使い方次第なのだ。この使い方次第(さじ加減)ってのが、人によるわけで。。。。
近頃はネオニコチノイドという「減農薬」と称されるものがでてきているらしい。そいつは、無臭で透明で存在が確認できない。しかも散布するとキロ範囲で広がるらしい。それは昆虫の神経をおかし、狂い死にさせると言う。その威力は持続するらしい。最近のミツバチがいなくなる現象もこれが原因ではないかと危ぶむ説もある。散布された菜の花にみつをとりに来たミツバチが脳を冒され、自分の方向を見失い、太陽の光に向かってひたすら飛ぶと言う。そして燃え尽きる。まるで「蜂のムサシ」が太陽に試合を挑んで負けたあの唄そっくりではないか。
最近は何でもモノはいいようなんだな〜。言い方次第で勝手にイメージできる。エコっていえば、車でも洗濯機でも買い替える。その車や洗濯機作るのにどんだけ石油使っているか。エコって言えば、誰でもやさしい人な気分になれる。「減農薬」っていえば、農薬少ないんだ〜って、得した気分になれる。「虫除け」っていえば、虫さんがどっかに行ってくれるって気分になれる。
しかしその「虫除け」さえ効かない虫が出てきたようなのだ。
「黒っぽくってみたこともないような虫」が、おばちゃんの畑で次々に新芽を食べているそうなのだ。これは虫の逆襲?そしてちまたでは除草剤も効かないスーパー雑草もでて来ているらしい。
これは自然の摂理が動いているだけなのかもしれない。逆襲ではなく、何かを教えてくれているような気がする。目先の見栄や利潤のために自然のバランスを崩しておいて、それに順応する存在がでて来ると大騒ぎする。その前に自分がなにやったか思い出すのが一番の早道なんじゃないだろうか。でてきた気に入らない存在をまた殺そうとするのは、身体に出た病の症状を消すのと何ら変わりがない。その病がでたのは身体が何かを教えてくれているからなんじゃないだろうか。
自然はいつも美しいこの地球のバランスを保とうと、人知れずひたひたとその任務を押し進めているのではないだろうか。
絵:ボージョレーヌーボーのボトルラベルデザイン案
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6 件のコメント:
難しいところですよね。
自分の食う分だから文句はつけられないよね。でも、ちょっと注意したくなりますよね。
人はそれぞれに思うことをすればいいのだと思うんだ。
信じるものは救われる。誰が正しいとか間違っているとか、言った先からケンカになっちゃうし。
疑問に感じた人がやり方を模索していく。それだけでいいんじゃないかなあと、最近は思おうと、してます(笑)。
今日の朝日の夕刊に、与党虫の、違ったヨトウ虫の駆除の仕方が載ってた。
ところでヨトウって「夜盗」何だよね。きっと。
で、駆除の方法は、(1)地下に潜る前、葉っぱに乗ってる段階に潰してしまう。(2)怪しい葉っぱのあたりの地面にぬかを撒いておくとヨトウ虫がヌカにこもるので、まとめてバイナラする。(3)メスのフェロモントラップをかけてオスを駆逐。フェロモントラップは市販されてるらしいっす。
1~3.とりあえず無農薬ですね。
2の、ぬかを撒いておく、はやりました。そーすると、他の虫やらアリやらがうろうろしてましたが、肝心のヨトーちゃんは見つからず、そのままほっぽっといてしまいましたー。
草刈りしていると時々います。わたしゃ、殺したくないんで、ぽいってフェンスの外にぶん投げます。ヨトーちゃんも気がついたら、全然違うところにいて、パニクるでしょうなあ。ちょっと悪いことしたかな?とおもいます。
去年の今頃は、ヨトちゃんにやられましたが、今年はまだ被害がないです。。。って、ぱぱさん、ちっとも畑にきてないのがバレバレ。
って、与党無視って、顔見てもわかんないかも・・・。(苦笑)
ぱぱさんに、与党は無視されているわけですね。
いちど、畑に入って、与党を確認してくらさい。
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