「どこいくんでい」
「峠の途中の茶屋」
「コーヒーのみに行くんかい」
「うん」
「けっ、コーヒーなんか、うまかねえわい!」
これがやまんばの村のじじいとのいつもの会話。じじいはこれといった用もないので、家の前の道をあっちいったりこっちいったりしているだけ。村は一本道しかないから、必ずやまんばと出会う。
茶屋では、いつも同じメンバーが揃う。
いつも同じメンバーが、いつも同じ話で盛り上がる。
こなきじじいは、元気過ぎて休みの日も家でゴロゴロしてらんない。いつも新しいおもちゃを買ってきては、それをみんなにみせて話題に事欠かない。
するとぬらりひょんが、それについてテレビで聞きかじった豆知識を、その専門家のように話す。
そのやり取りを聞いていた茶屋のご主人が会話に加わる。
このふたりは子どもの時から互いに対抗心を燃やしている。ぬらりひょんが、ああいえば、必ずその反対のことを言う。するとぬらりひょんも負けじと言い返す。自分の意見に反対するヤツに同意するわけがない。すれちがったまま、時間が過ぎていく。
二杯目のコーヒーを飲み終えた頃、こなきじじいは、パチンコにいく。
ぬらりひょんは、砂かけばばあのお山にさんぽにいく。
やまんばは、畑に行く。
やまんば村の主人公たちは、いつも同じことをして遊ぶ。
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