2011年10月18日火曜日
林さんご登場!
おとついたんじゅん農法の林さんが、お忙しい中やまんばの畑に来てくれた。
ああ、なんておそれおおい!
このやまんばのへんてこりんな畑を
「ここの土はやせていてちっとも栄養がないが、ヨゴレもない」
と、ほめて(?)くれた。
これはいわば、借金もないが貯金もない、というその日暮らしのビンボー人のような畑だそうな。なんだ、やまんばの財布の中身とそっくりじゃねえか。
おもむろに支柱の棒をあっちこっちの地面につっこんだ。
「うん、50センチから、1メートル入る。まあまあいいんじゃないか」
つまり、野菜の根はそのぐらいの深さまで入っていけるということなのだそうだ。これから炭素の高いもの、雑草、イネ科の植物、剪定チップ、落ち葉、そこらの糸状菌がついた木の枝、なんと竹(!)までも、どんどん畑に突っ込め。そーすりゃあ、地面は3メートルまでほこほこになる。んーだば、チョーでっかい野菜がうはうはとれるんだと。なんだかおとぎ話みたいな話だが、今うちの野菜はちっこいちっこいありんこのフケぐらいのちっこい野菜しか育たないが、
「あとは、野菜は大きくなるだけだ」
とお墨付きをもらったどー!
一時間ほど畑でお話を聞き、その後うちに戻って講義を聞く。今回の参加者さんはなんと14人もいた。はじめてお会いした林さん。その世話人の城さんご夫婦、そして全く見知らぬ人々がうちに集まった。いやびっくり。なにがなんだかわけわからぬ。みんな熱心に林さんのお話を聞いた。
3ヶ月にも及ぶ日本中を回るご講義巡礼の旅もおとついが最終日だったようだが、疲れた様子も見せず、淡々とお話しされた。自己管理のゆきとどいたお方のようだった。何か使命のようなものを感じておられるのだろう。彼の言葉はとどまる事を知らなかった。あっという間に時間が経ち、3時半にお帰りになられた。
野菜は肥料で育つ。という私たちが当たり前に信じていた視点ではなく、全く違う視点から野菜や植物や虫をとらえた林さんの視点は、今のわしらの文明のありかたに大きな疑問を投げかけた。
「野菜にエサを与えて育てるんじゃない。土にエサをやるんだ」
「窒素は人間が作れるものじゃない。微生物に作ってもらうのだ」
一体何を言ってるのだ?とおもう。
林さんは「これはとっても単純な農法なのだから、たんじゅん農法。(ホントは炭素循環農法の略だが)むずかしいことはなんにもない」といってのける。
だけどわしらにはチンプンカンプン。それはたぶん、当たり前だと思っていた視点とまるで違う視点から見た理論だからだ。
わしらはイメージでモノを見る。そのイメージができるのは、過去にどこかで見聞きしたものと照らし合わせて見るからだ。
ところが林さんの視点は、わしらは今までもった事のない視点。つまりそれについて何もイメージができないのだ。だからむずかしい。
多分この世で常識とされている事のすべてのはじまりは、きっとこんなふうに誰もイメージできなくて戸惑った経緯があるに違いない。
「太陽が地球の周りを回っているんではない。地球が太陽の周りを回っているんだ」と言った誰かのように。
林さんは畑を見ればその人が分ると言っていた。頭が固い人の畑は固い。頭の柔らかい人の畑は柔らかい。この農法をいち早く理解できるのは、家庭菜園の人だと。むしろプロの方が理解できない。そしてもっと固いのは、自然農をやっている人々だとも。「あの人たちがいちばん頭が固い」そーだ。でへへ。わしだす。
「けど、今日の畑は柔らかい。あなたの頭は柔らかいな」といわれた。
げげー、ちょーはずかしい。
たんじゅん農法は、新しい農法ではないという。その昔マヤやインカやアステカでおこなわれていた農法だったという事が最近の発掘調査で分って来たのだと言う。そんなやまんばの心をくすぐるような事を言わんで欲しい。
山に近づける畑。いつのまにか福岡正信さんが言っていた理論とおなじところにある。林さんはそれを科学的に理論立てた方だった。
次の日畑に立つ。山と地続きになっているこの畑に、未来の姿をかいま見た。
林さん、城さん、そして参加されたみなさま、ありがとうございました。
その様子はたんじゅん農法の広場に掲載されていました。ありがとうございます。
http://tanjunnou.blog65.fc2.com/blog-entry-302.html
絵:今日の絵は、いつもコメントくれるぱぱさんのお子さんに影響されて作ったGANTZスーツの二宮和也の似顔絵だす。ビデオを見せられるたび、彼の魅力にとりつかれるやまんばであった。くそー。
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8 件のコメント:
二野ちゃんの似顔絵、ほんとにありがとうございますた。一生の思い出になると思います!!
一生なんて。。そんなおーぎょーな。。
でもうれしーですううう。
つくしさーん、
北鎌倉です。なんと林さんを呼ばれての見学会があったのですか。行きたかったあ。また機会があったらお願いします。
つくしさんの御顔(たぶん)も畑も写真で確認できて大満足です。
炭素をどんどん突っ込め、とのお教えだそうですが実践結果が待ち遠しいです。私は突っ込んでも半年しても分解されていなかったので取り出しました。たぶん餌を食べる主の糸状菌がいなかったのだと思います。つくしさんのところは結果はどうなるでしょうか。楽しみにしています。
葉物の発芽や生育がいいですね。米ぬかですか?
北鎌倉さんおひさしぶりです。プロヴァンスから、おかえりなさ〜い。ゴージャスですねえ。
そーなんです、びっくらこきました。まさか来てくれるなんて。。。結局来てくれた事にコーフンしすぎて、肝心の自分の畑の細かい事、聞くの忘れた。。。。
林さんのお話の中で、野菜は空気をほしがるというのがありました。外国の畑では石だらけのところで野菜が育つと。それで北鎌倉さんの行かれた南フランスの話も聞いてみました。するとたぶん石のまわりに微生物がつくんではいかと。どうも空気と関係しているようです。石ごろごろだと粘土質の土と違って土の中に空気が入る。それはいいのではないかと。
きほんは、糸状菌と空気のようです。水はほとんどいらない。
ウチの畑の発芽、いいんですか?
とにかく、草(メヒシバなど)つっこんでます。いっぱい入れたところの方が元気です。米ぬかはちびっとだけ。油かすもちびっといれたか。でも入れてないところも多いです。
剪定チップは半年後に結果がでるそうです。草が結果が早い。
つくしさん!
早速の貴重なご意見ありがとうございます。ものすごく勉強になります。
1、空気と糸状菌が大切で水は不要ですか。私も冬の間に、植えていない畝に空気を入れてみます。天地を入れ替えるようにはせずに、三つ鍬で縦に切れ目を入れてみます。
2、つくしさんの葉物は水やりか米ぬか油粕によるものかと思っていましたが、水はおやりですか?50センチー1メートル棒が入るから地中ができてきているためでしょうか。
3、草を入れて分解してきていますか?私のところとは出来が違い微生物が活発なのかも。。。。私はこの夏は草を地中に入れず、表層に置きました。。。。
北鎌倉さん、聞いてくれてありがとう。
土の中に入れた草、どうなっているのか見てませんでした。
んで、今日畑で確認しました。消えてます。9月頭に入れたダイコンの畝。目一杯土の中に入れたメヒシバ、消えてなくなっていました。他のもみましたが跡形もなく。
ダイコン、実験したんです。草突っ込んだ畝と、畝をいじらず、草を上にしく自然農の方法の畝。なんと草突っ込んだ畝の方がダイコンの勢いが大きいです。
そんで、16日林さんに、
「これ入れるんだよ、土に。もったいないじゃないか」
といわれたサトイモの上に乗っけていたメヒシバ(だいぶ枯れてました)。土の中に入れたのが17日。今日見たら、半分土になって消えてました。
だからもったいないっていったんだと分りました。草はただ畝の上に置いておいても、分解もしないし、空気中にエネルギーは消えていくだけ。だけど、いったん土の中に入れると、糸状菌が働き、微生物が食べて、土の中が肥えて来るんだと思います。
最近の北鎌倉さんのブログにあった、小松菜の畝の横の枯れた草。あれ、そのまま土に入れちゃうんですよ!空気中で枯らすのもったいないっす。
私もそうでしたが、自然農出身の人(?)は、畝の土を動かすのが怖いんだと思います。土は草の根が枯れて、その中に空気が入って、そこに微生物が入り肥えて来るんだと教わっていますから。
でもたんじゅん農法でも土動かすのはほんの10センチくらい。スキコしてそしてまた空気が土の中に入る。一石二鳥です。
それから、水は種をまいた時と、苗を入れたときぐらいでいいようです。極力水はかけない。北鎌倉さんところもあんなに草に被われているから、水は十分あるはずです。微生物は水が多いと窒息するそうです。
さいごに、入れてない畝にではなく、苗が入っていて、元気がない野菜があれば、その根元付近に小さなスコップをさくっと差し込んで、ちょっとだけ土を持ち上げ、空気を入れると、野菜の苗は元気になるそうです。やっぱり空気でしょ?
つくしさん
おっしゃるとおりですね。昨年はダメでしたが、もう一度、入れてみます。つくしさんの畑は消えていていいなあ。
昨日MOA自然農法大仁農場へ行ってきました。今度ブログにアップしますが、やはり土中の隙間が大切です。その方は水分保持とおっしゃっていましたが空気も大ですね。
ありがとうございます。
山の中の落ち葉を見ると、いちばん上にある落ち葉は形があります。その下をはぐってみると、落ち葉は少しかたちが崩れています。ミミズがいます。その下をはぐってみると、落ち葉はかなり原形をとどめていません。そしてその下はもう小さな破片になっていて、いろんな生き物がいっぱい住んでいます。で、その下は、もう何もいません。土に変わっています。
地上に近い程、空気との接触があるんではないでしょうか。地上から厚さ10センチ前後の当たりに何か活発な微生物の動きがあるように思えました。
その下は、もう人間が触れたり、工夫できるところではなく、自然の摂理に任せる領域に入る、そんな気がしました。
あ、それから林さんのお話で、あるお百姓さんが、全くカラカラに乾いた大地に、これまた全くカラカラに乾いたキャベツの苗を入れたんですって。でもそのとき水は一切与えなかった。するとまもなく、キャベツの苗の根っこにどこからか湿度がやって来たのだそうです。そして大きく育ったそうです。
植物は何らかの形で、自ら水を呼び込むという、お話でした。
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