今年は雨が少なかったので、蛍は少ないんだろうなと思っていた。
だが蛍はいつもより多く飛んでいた。
真っ暗な山を背景に蛍が乱舞する。
水辺に戯れる光があるかと思えば、
高く舞い上がって杉の木の中で飛び交う光たちもいる。
あのフワンフワンと現れては消える光を見ると自然と心に喜びが湧いてくる。
川のせせらぎと、カジカの大合唱、そしてかすかに虫の声が聞こえ始める。
蛍は季節の境目にいる。
カジカから虫への橋渡しだ。
山の近くにいると、季節の変化を音と目とそして香りで確認する。
大合唱の中で私の心にもう一つの音があった。
それは藤井風くんの新曲Comets +Gold。
彼の所作はあまり好きじゃないが、曲は好きだ。彼の所作はあまり好きじゃないが、曲は好きだ。
昨日は1日中そのフレーズが頭に流れていた。
三鷹にある出光美術館に行ってきた。
駅からバスに乗って指定のバス停に着くも、どこにも美術館らしきものがない。
何人もの人に尋ねならがやっとついた。
美術館といっても中近東文化センターの一角にちょこんとあるだけだった。
たった25点の展示だったが、私にとっては見応えがあった。
器の説明も焼き物をやり始めたおかげでよくわかる。
裏に回って高台の付け方まで見れたのは面白かった。
ポスターにあった取っ手がついた可愛らしい織部草花文手鉢は、
実物を見るとちょっと汚くそんなに魅了されなかった。
だが志野山水文鉢には圧倒された。
「欲しい!」と思った(笑)。
この器にどんな料理を入れようかとワクワクした。
図録もなく写真も撮れない。しばらく佇んでしっかり目に焼き付けてきた。
帰りも駅までのバス停が見つからず、またしても何人もの人に聞きながらたどり着く。
それにしても人は優しい。たくさんの人に助けられてちょっとした旅を味わった。
先日までは20匹くらいいた蛍たちも、昨日はその三分の一に減っていた。
こうして季節は巡っていく。
暗がりの中で目を閉じる。
川の音と、カジカの声と、時々虫の声。
そして頭の中にあの曲のフレーズ。
私を癒してくれる。
それでいいんだよ、あなたはそのままでと。
神が私に語りかけている。
私を包んでくれている。
涙が溢れてくる。
喜びに溢れてくる。




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