高尾駒木野庭園で開催された海沼武史の写真作品展が終わった。
振り返ってみると、都内から千葉から京都から、
実にたくさんの方々が、武史の写真を見に来てくださった。
みなさま、お暑い中時間を作ってきてくださって本当にありがとうございました。
私も自分の展覧会ではないけれど、さも自分の展覧会かのように出向いて楽しみました。
毎日が夏休みのようで楽しかったなあ。
ここ庭園での展示は、ギャラリーのように自由がきかないところがあり、
なかなかハードルが高かったのですが、去年の私の展覧会、そして今回の武史の展覧会と、
全館を使わせてもらっての展示は圧巻でした。
これも庭園側と作家側の互いの歩み寄りにより成功したものだと思われます。
日本家屋自体が醸し出す自然と一体になった空間の中に配置される作品たち。
床の間に盆栽と一緒に置かれた作品たち。
どれもがぴったりハマって、何の違和感もない。
ただ畳に座ってその空気の中で流れる時間を味わっていたいほどの心地よさでした。
一番奥の畳の部屋では、異文化の人たちの交流、
そして盆栽作家さんたちとの深い話も尽きなかった。
盆栽作家さんは、過去写真とのコラボでいい思いをしたことがないということだったが、
今回その成功例を見せていただいて、視野が広がったと喜ばれていた。
すべてがグッドタイミングで、何のきしみもなく淀みもなく流れるように進んでいく。
そういう奇跡を横でみせてもらっていた。
そういう景色を見るにつけ、
ああ、自分では何もしなくていいんだということがますます教えられていく。
私は何の判断もせず、ただ見ていればいいのだ、と。
私たちは物理的なものを得ることによって幸せになれると信じている。
でも幸せは物理的なものによって得られなくても幸せになれる。
それはみんなの思いだ。
「ああ素敵。」「いいねえ~。」「癒される~。」
たくさんの言葉を写真を見ながら語ってくれる。
そこには喜びがある。
武史は、みんなから愛をもらっていると感じていたそうだ。
それこそが何よりのギフト。
庭園いっぱいに、喜びが広がっていた。
みなさま、素晴らしいギフトをありがとうございました!
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