2025年1月2日木曜日

お正月と喪中

「コジュケイ」和紙、水彩

 

みなさま、新年あけましておめでとうございます。


と、喪中の人が言っていいのかいけないのかわからん(笑)。


喪中ってことをいいことに、お正月的なことを一切なんもせん!

と決めてさっぱりやらないと、まあ、暇なこと暇なこと。


「暇だなあー」と鼻をほじって暇をもて遊んでいると、

「風呂掃除でもしたろかー」とか、

「冷蔵庫の整理でもするかー」とか言って、なんだか楽しげにやってしもうた。


今までは義務!神様が幸運を運んでくれないからやらねば!とか言って嫌々やっていた。

おせち料理だって、神様が幸運を運んでくれないからやらねば!とか言って、

すごいプレッシャーの中でヒーヒー言いながら嫌々やっていた。


お正月っぽいことはといえば、あんこ屋すずさんで買ったあんこで

おぜんざいを作ったことぐらい。あとはいつもの生活。


暇こいていたら、ふと知り合いが宮司をやっていらっしゃる金比羅さんに行こうと思いついた。

喪中の人がいっていいのか、いけないのかわからんが、

しれっと行ってきて、ついでに玉串を奉納してお祓いまでしてもらう(こらあー)。


空は雲ひとつない快晴。美しい青。

帰りは落ち葉がいっぱいの坂道。滑りそうでオドオドオタオタ降りてきた。


今はお隣さんからもらった干し芋をストーブで焼きながら、これを書いている。




私にとって「お正月」とはものすごく特別な行事だった。

それは母を通じて学んだことの中でも特別に大集結されたもの。

日本人として一番美しい形を生み出す瞬間。


お正月という美しい形はまた、私に恐れも生み出していた。

これをしなければ、福がやってこないという恐れ。

その恐れにがんじがらめになっていた。


それが彼女の死を通して、その「お正月」という呪いにも近い信仰の束縛が、

ふっと解かれた瞬間でもあった。



かーちゃんから、思わぬプレゼントをもらった。


そもそも、人が死ぬって汚れなのか?

死んだ人はあの世で

「お前、なに正月やって楽しんでいるんだ?俺は死んで苦しいのに!」

って、うらみつらみを言うんだろうか?


おばさんは妄想する。


天国のかーちゃんは、

「えー。なんで楽しまんが?楽しみなさい。うんと!」

って、言うんじゃね?と。


あ、干し芋食っちまった。

も一個、焼こうっと。



と言うことで、前置きが長くなりましたが、

本年もよろしくお願いいたします。







和紙で制作した作品のオンラインショップができました

ペーパーバックの表紙を制作した原画のオンラインショップです




2024年12月29日日曜日

そこにある大きなもの


 

人は夜空に浮かぶ星を見るのが好き。

私もそのひとりなんだが、

先日かおりさんの話を聞いて意識したことがある。


星を見ながら、私が見ているのは星ではなかったということ。

夜空全体を感じているのだ。


昔高知の東の端に住んでいた頃は、

天の川がよく見えた。

太平洋の上に満天の星。真ん中に巨大な天の川。

今はもう見えなくなっているのかもしれない。


夜布団に入ってイメージする。

大草原、、なぜかモンゴルの大草原に大の字になって

目の前に広がる満天の星を見る。

ついでにエジプトの壁画、夜空を覆う女神の絵も浮かぶ。

その女神が私に覆いかぶさってきて、

私と夜空はひとつになった。


山、空、海、夜空、広い広い大きな大きなものを感じるのが、

今の私にとって素晴らしい癒しになっている。



犬を連れて散歩する浜で見ていた水平線は、

まっすぐではなくかすかに湾曲していた。

「ああ、地球って丸いよな~」

私が海を描くといつも曲線になるのは実体験からだ。

その地球の丸さと、それに合わせて感じられる地球の大きさを体感できたのはよかったな。






その大きなものに触れていると、頭の中で聞こえてくる小言が小さくなってくる。

それはいつも聞いているラジオの周波数ではなく、

別の周波数に合わせているかのよう。


いや、ちゃうな。

それは周波数とも言えない、ずっと昔っから流れているもの。





頭の中にはっきりと聞こえる声は、

ある一定の小さな周波数で流れるラジオ番組。


不安局、恐怖局、攻撃局、イライラ局、悲しみ局、ひとりぼっち局、おいてけぼり局、、、。


それを今までズーーーーーっと聴きづづけた。

いや、なかなかにエキセントリックな番組だった。


でもどうもこれを聴き続けても幸せはやってこないどころか、さらに破壊的になる。

共鳴して、賛同して、そうだそうだ、あいつをやっつけてくれる!と。

ついでに自分も死んでやる!と(笑)。


これらのラジオ局のスポンサーは、全部「罪悪感制作株式会社」だったのだ。

あちゃー。してやられたー。



そうして私はでっかくて、

音に聞こえない、

言葉でもない、

形でもない、


でも確かにそこにある「何か」とともにいようと思った。







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2024年12月27日金曜日

変えられはしない

「喜び」和紙、水彩

 

アメリカから入ってくるはずのお金が入ってこない。

アメリカの銀行が閉められないので、残高が戻ってこない。

あるはずのお金がここにない。


絵は売れるんだろうか?

ただ材料費が出て行くばかりではないか。


膝が痛い、足首が痛い。

どうやったら治るんだろうか?


いい加減にその性格を変えろと言われる。

どうやったら変えられるんだろうか?


不安と恐れの中で翻弄される年末。





「何も変わる必要ないですよ。誰も何も。」


私には何かが不足している。だからそれを埋め合わせなければいけない。

それはお金であり、健康な体であり、正しい行為であり。。。


先日、かおりさんという方のズーム会に参加した。


「あなたはすでに完成されてるのですよ。何を変える必要がある?」


その言葉に私は吸収された。

私は完成された存在。そこに何を足すこともない。そのまんまで満ちている存在。


彼女がいう「全体性」の意味がよくわからなかったが、

こういうことかな?と聞くと、そうだという。

そうして幼い頃や大人になっても時々味わうあの感覚が、

そういうことだったのかと意識され始める。


山を見た時、私は山と溶け込む。

空を見たとき、空と私は一つになる。

(高尾に住むと、山に隔てられて空が狭いが、

イーアス高尾の駐車場の空は広い。そこで私は空を見る笑)

夜、窓を開けて漆黒の山を見る。

巨大になった私はその山を抱きしめていた。

夕暮れの空もまた私を引きつける。

そこに思考はない。細々とした個人のことなど完全に抜けている。

ただただ愛おしく、山と空と、

そして肉眼では見えないけれど、昔ずっと見ていた海と一つになった私がいた。


それが本当の私だ。この世のことなどどこ吹く風。

大きくどこまでも広がってどんどん透明になっていく。

それがこの小さな体の私に浸透してくる。



そうだった。私はそのまんまでよかったんだ。


感動が心に溢れて号泣した。




自我はひたすら言い続ける。

「お前は間違っている。ほら、今も欠けている。

あれもこれも問題だ。どうにかしろ。

今金がないのはお前のせいだ。お前がサボってばかりいるからだ。

その性格がいけないんだ。なんとかしろ。」


それをこの現象世界で見せてくる。

銀行の残高、足腰の痛み、人の指摘。


ほーら。それが事実だ。

お前の欠陥の結果がちゃんとそれを証明しているではないか。






夢を見た。

引越して、私はそこにはいないのだが、

全て捨てたはずのゴミやいらない服がまだ山のように残っていた。

私は慌ててそれらを片付け始めた。

すると後から後からゴミが出てくる。


あれ?おかしいなあ。。これ、きりがないなあと思ったとき、これは夢だと気がついた。

そしてその手を止めた。


夢の中の私は、ひたすら問題に取り組む。

ひとつ解決したかと思うと、また次から次へと問題がやってくる。

それが夢だと気づかない限り。


人がいう言葉に息苦しさを感じるなら、

それは自分が相手に言わせている自我のささやきだ。

お前は間違っている。こう直すべきだ、ああするべきだと。


それを何も変える必要はないとわかったとき、

変えられないともわかる。


変えられると思ってきたから、苦しかったんだ。

だって、そもそも変えられはしないのだ。


見えてくる現象をそのまま受け取る。

「変われ」と聞こえた音をそのままを受け取る。

「か、わ、れ」と言う音。

意味ではなく。


残高がなく、体も痛い。


それがなんだと言うのだ?




山や空である私。

Mini me, 小さな私。


完成されて変わる必要もない私。

欠点だらけで変わらなければならない私。


 

変わらなければ!といって、

泣きながら変えようとするしかなかった私に、


今はもう一つの選択がある。



しかし両方の意識が行ったり来たりする。


香港さん、なかなかにちっこい私です。



そんなときゃあ、「スーダラ節」でも歌って踊っちゃいましょう。

わかっちゃいるけど、やめられね、

アホレ スイスイ スーダララッタ

スラスラ スイスイスイーっと。








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