2022年10月21日金曜日

どよ〜ん

 


冬に入る前にお気に入りのはんてんを押入れから出した。

臭い。。。


なんども洗っているけれど、押入れから出すたび臭い。

意を決してクリーニングに出す。


「お客様。カビというものは植物と同じです。

いわばタンポポが生えている状態。

それをお客様が、パンパン!などと叩いてしまっては、

タンポポの産毛はあらゆるところに飛んでしまい、

その元々生えている根っこがわからない状態になってしまっているのです。。。」


延々と細かい説明をしてくれる。

だんだんどよ~んとしてくる。

クリーニングのお姉ちゃんは、親切で言ってくれていると思うのだが、どことなく防衛を感じる。


「だいたい布の耐性期間は三年と思ってください。」

その言葉の後ろに、

「それをあなたは一体何年間着ているのですか?

この様子だとゆうに20年は着てますよねえ。

それを私どもに再生しろと?

どのような状態になっても知りませんよ。

あくまで元々はあなたの責任なんですから。。。。」


言葉にならない説教と威嚇が見え隠れする。。。w


これどこかで聞いたことが。。。

あ。スマホの契約の時だ。

タイマーを横に置いて、45分だったか55分間、

「もしこうなったらケースと、そんな場合はお客様責任です」

という懇切丁寧という名の防衛が延々と続く。


まあ、この世は防衛と攻撃の世界。

自分の保身、会社の保身のために「説明責任」は必要なんだろう。



クリーニング出さない方が身のためか。。?

とも思わせるほどの懇切丁寧な説明をたくさんいただき、

どよ~んとしたまま、お願いをした。




「お願いしま~す」

「あいよ任せとけ!」

「え~~~。ぺったんこになっちゃったじゃん」

「あーすまんのう~」

「まあ、しゃあないか。長年着てたんだもん。寿命寿命」


そうはいかない時代。

どよ~んとしたまま、クリーニングをお願いし、スマホもお願いする。

こっちの覚悟が試されるのだ!


これも私の罪悪感の投影。

そういう世界を見たがっているのだ。


それを軽々と、笑いながら超えていけるようになりたいね!




絵:アメリカのコージーミステリーブックカバー




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