2013年8月29日木曜日

それぞれの弱点



ウチの母は、かなり変わっている。

ドアに小指を挟んだ。激痛がしてながめてみると、小指が関節のところから外に向けて曲がっている。
母は、
「ああ、こんなもん、元に戻したらえいがよね」
といって、ぐいっと小指をいったん上に引っ張って、ゴキっと元の位置にハメた。
それで終わり。

これはふつー、「骨折」といって、大騒ぎして、ばんばんに腫れて、お医者さんに行ったり、ギブスをはめてもらったりして、全治何週間とかいって、お薬をもらって、安静に、ダイジーにすごす。
しかし彼女は、そんなのへーきだった。じじつ、腫れもしなかったらしい。
もちろん病院なんか行かない。(良いこの皆さんは、ちゃんと病院に行きましょうね〜)

先日も腕に大きな火傷をして、皮膚がべろんとめくれ、実が見えていたにもかかわらず(うえ~)、そのまま放置。勝手に完治させる。

前に足の小指がおれて、さすがに手術になったときも、
医者が、
「ここは麻酔がかけられないところだから、そのままメス入れるき、がまんしてや」
といったので、彼女は「感じないこと」にしたらしい。
すると、術後医者が、
「あんた、ほんとうにすごいわね。あたしがメス入れても、ぴくりとも動かんかったねえ。。。ほんとにすごいわ。。。。」
と感心したと言う(ほんまいかな)。
母いわく、
「二度ばかり、ズン、ズンって、小指に何かが響いた感じだったんだけど、それだけやった。痛くも何ともなかったき」
と、へーぜんとしている。

なんというか、砕けた背骨を自分で作り直した件といい、どうも母は「肉体の損傷」に関しては、まったく無頓着なのだ。
しらっと、へーきで、けろっと、自分で、勝手に治してしまう。


と、こ、ろ、が、だ。
彼女にとって「ぐあいがわるい」ことに関しては、まったくちがう反応をする。

ちょっと身体の具合が悪い(つまり、カラダが重い)と、大騒ぎする。
どうしよう、どうしよう、とパニックになって、ありとあらゆる方法を試みる。ショウガと玉ねぎジュース、ケールジュース、ハブ茶、お風呂に入る、カラダをさすりまわる、等々。。。

おかしな話じゃないか。
ふつー、火傷したらおおさわぎする。小指が外に向かっておれてたら、おおさわぎするもんだろ?
だけど、ぐあいがわるいぐらいなら、「寝てすます」ことだってできる。こっちの方がおおさわぎしない。

彼女の場合、逆になっている。
背骨を自分で作り直せる技術があったら、カラダがおもいぐらいなんちゅーことない。へのかっぱ。おちゃのこさいさい、
のはずじゃないかー。


これはニンゲンの過去の経験からくる、それぞれの反応の違いを現している、いい例じゃないだろうか。
彼女にとって、ケガなどには、トラウマがないのだ。
「ケガ?へーき。勝手に治るもんじゃないの」
とくる。むしろ過去にずっとヘーキで治していた経験がそういわせるのかもしれない。

だが、
「あっ!ぐあいがわるい!いやっ!じぇったい、いや!どうにかしてこれを取り除くのよおおおおおっ!」
となる。
(「ぐあいがわるい」ことにかんして、彼女は複雑ないろんなおもいを抱えていたことを後日知った)

やってきた「問題」に対しての反応の仕方が、まるでちがうのだ。
ケガ=気にしない。
ぐあいがわるい=パニック。


わしらはケガをすると、大騒ぎする。だいたい似たような反応だ。だから一般的には、ケガ=パニックなもんだと思い込んでいる。だからケガすると、おおさわぎする。
それは返していえば、ケガすると、おおさわぎするもんだ、と定義づけ(条件づけ、そしてもしくは洗脳かも)がされているからそうなるんではないだろうか。

彼女には、ケガに対しての定義づけがフツーの人とちがっていた。
それは「ほっといたらなおる」もしくは「おおさわぎする必要はない」というあたりだろう。
だけど「ぐあいがわるい」にかんしては、
「おおさわぎをしなくてはいけない」
という定義づけをつけたようだ。

とゆーことは、いろんなことが、定義づけによって反応しているだけなんかもしれんじゃないか。

もし彼女が、「ぐあいがわるい」ことさえも、彼女の定義づけによることだと気がつけば、ぐあいがわるいことだって、
「ヘーキ。ほっときゃ、治る」
となるんではないだろうか。

人類が「人生は不幸の連続だ」と思っていることさえも単なる定義づけで、その定義づけが、わしらを不幸の連続に「させて」いるだけだったりしたら。。。。

きみは何を「定義づけ」てる?


6 件のコメント:

まいうぅぱぱ さんのコメント...

まことに不思議ですが、ひょっとしたら"見えること"と"見えないこと"の違いなのでは・・?
小指や足は見えるし、腰の骨の事も確かレントゲン写真で観たんじゃなかったでしたっけ?
でも"具合が悪い"は視覚化できないから、パニクるのじゃなかろうか?
何かの方法で、視覚化できたら、へーきになるかもね。

つくし さんのコメント...

おおーっ、なるほど。
見えないからパニクる。たしかに。
これは面白い発見です!
見えなくて、得体が知れないから、おそろしがるのかもしれないね。

さて、どーやって視覚化する?(笑)

まいうぅーぱぱ さんのコメント...

イラストる?とか???

つくし さんのコメント...

なんじゃそりゃあ〜。

まいうぅーぱぱ さんのコメント...

(笑)
具合悪い状況を、絵に描いたらいかがなもんでしょうか??

つくし さんのコメント...

そ、それはつまり、かーちゃんに、ぐあいがわるくてしんどそうなイラストを描いて送るっちゅーことでしょーか。

あっ。
彼女に自分で油絵で、そのシーンを描いてもらうっちゅーことか!!
描いてるあいだに治りそーやな。。。

でも、それって、自分で自分の状況を受け取ることでもあるから、いいかもしんない。
ニュー治療法やな!

ぱぱさん、ナイスアイディア!