2009年6月8日月曜日
チョウがいない?
ビッビーッ!
家のそばでバイクのクラクションが鳴る。窓からのぞくと最近知り合ったおじさんが、50ccのバイクにまたがってこう言った。
「いねえよ。全然いねえんだよ!チョウが!」
木下沢でチョウの写真を撮りだして3年、そして鳥類を撮り続けて38年になる野鳥写真家が嘆いた。
「最近土日になるとチョウを捕まえにくるやつらが、束になってやってくるんだ。それでへっちまったにちげえねえ...」
お酒で喉をつぶしたしゃがれ声のおじさんの心は泣いていた。
そういえば、うちの庭にもチョウが少ない。人が採ったぐらいでそんなに減るんだろうか。ミツバチも減っているようだし、ウチに毎年集団で巣を作るアシナガバチも、今年はたった一匹で奮闘している。他の虫も心なしか少ない。何かが起こっているのだろうか...。
そのあと、ひさしぶりに高尾でボランティアをしている虫博士にばったりであう。早速、チョウに異変がないか聞いてみる。
「ねえねえ。今年高尾のチョウって減ってる?」
「いやー。いまの所そんな感じはしないよ。季節はこれからだからねえ。」と、いたってのんきなかんじ。
一体どっちが正しいのだ?
その虫博士に、畑で見つけた虫を見せた。ぐうぜん私の服にくっついていた、最近枝豆の葉っぱにうじゃうじゃいる恐竜みたいな形をした虫だ。
「あ、これ、コフキゾウムシ。くずの葉っぱを食べる虫だよ。交尾する格好がかわいいんだよね〜」
おっとびっくり。こいつをかわいいとは。はじめて枝豆に群集していたこのちっこい恐竜を発見した時、私はのけぞりそうになったものだ。
「な、なんじゃあこりゃあ〜!」と。
それからバケツに水をはり、若葉の間にもぐりこんだこの原始的な生き物を一匹一匹取り除いて行った。基本的にウチの畑にいる虫は殺さないことにしているので、畑の外に逃がした。コフキゾウムシをあとで調べてみると、やはり豆科の植物が大好物らしい。土中に住み着いているようだ。考えてみりゃ、つい去年までウチの畑にはくずが生い茂っていたのだ。それを開墾して私らが畑にしちゃったもんだから、彼らの食物であるくずがなければ、同じ豆科の枝豆につくってもんよ。先客にも敬意を払わないといけないなあ。共存するかあ。(できるのか?)
人がいればそれだけ視点が増える。それぞれの位置によって同じものが違って見える。敵に見えたり、かわいく見えたり。減っているぜ!と見えたり、ぜーんぜん減ってないよと見えたり。
この世は全部主観で見ているのかもしれんなあ。逆に言えば、客観視なんてありえないのかもしれん。そこまで引けて見えているのは、地球からずーっとはなれた宇宙人かもしれん。え?宇宙人はチョウに興味はないってか?
で、チョウは減ったのか、減っていないのか?
誰に聞きゃいいんだー。
絵:coopけんぽ表紙「ちょうちょ」
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6 件のコメント:
昔、モンシロチョウが、すげえ数飛んで
た記憶があります。しかも中野で。
さすがにアゲハは少なかったけれど・・・。
ところで、高尾では、今年も蛍が現れたそうです。
生き残ってくれてありがとう!
え!もう出た?
よかった〜。
ひょっとしていないんじゃないかと心配したんだ。
ちなみに先日石川県の七尾市で夜中にいきなりオタマジャクシが天から降ってきたらしいね。100匹くらい。なんでオタマジャクシなんだ?カエルじゃなくて。
雨のやんだ7日の日曜日に、蛍が2,3匹飛んでいましたよ。
数年前、この地に越してきた時には、虫の種類の多さや立派さに感激していました。さすがに慣れましたが、それでも新顔さんに会うとうれしい。
リスさん、おひさ。
今日は雨だから蛍いないかなあ〜。
まだウチの前にはあらわれていません。でも聞いてほっとしました。
なんだか昆虫も少ないなあなんて思っています。うちの庭に作られたアシナガバチの巣が、今日シジュウカラ(たぶん)に一気にやられてしまいました。昆虫が少ないと、鳥も必死ですね。もう一つの巣の方もやられていましたが、覗いてみると蜂が一匹、呆然となにするでもなく巣にへばりついていました。路頭に迷っていたのでしょうか。
確かに、ヤヴァイ感じはしますね・・。
子供が虫とるのに、大人が「絶滅の危機」の心配をするようになっちゃ、あかんね・・・。
オタマジャクシの件は、帰るなら自分の足で歩いて(?)来れるからじゃないでしょうか?
(^m^)
この、さぶいオヤジギャグ....。
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