夕飯をすませると、最近ダンナとふたり散歩する。
二キロ先にコンビニがある。最初はダンナのタバコを買いにいくのについていっただけなのに、食後の散歩がいいかんじなので、だんだん日課に。
高尾は街灯が少ない。すぐ近くに真っ暗な山の稜線を見ながら、いろんなコースを歩く。民家の間、国道沿い、川沿い、そしてなんにもない原っぱ。
時おり栗畑の中から「ブヒッ!」という声と、林の中をあわてて走りさる何ものかの音も聴く。
一瞬ドキッとするが、「ブヒッ!」と声をあげてくれるおかげで、かれらと直接遭遇せずにすむ。人間の存在を感じて、ビックリしてわざわざ雄叫びをあげてくれる。
いつも「ブヒッ!ザワザワザワ!」だ(笑)。
いつも「ブヒッ!ザワザワザワ!」だ(笑)。
帰り道、コンビニで買った一個のカフェラテを、その原っぱの真ん中に座って、ふたり分け合って飲む。
真っ暗な広い空を眺めながらコーヒータイム。目の前には精神病院の明かり。それがゆいいつの人工的なもの。あの明かりの中には、いろんなドラマがあるのだろう。
しかしそれもどこか夢の世界のよう。
しかしそれもどこか夢の世界のよう。
時にはいろいろおしゃべりをして、時にはただじっと黙って。
目の前の猫じゃらしが、病院の明かりを通して透けて見える。
すべてが静かで満たされている。美しい時間。
すべてが静かで満たされている。美しい時間。
カフェラテを買いに行く時間帯が、ちょうどカフェラテのマシーンを洗う時間と重なっていたため、何度か買えない日があった。でもいつのまにか従業員の方が私たちが行く時間にあわせてくれていた。そういう心遣いに、胸が熱くなる。
一杯のカフェラテ。
猫じゃらしの手触り。
広い空。
飛行機の点滅。
足の裏の地面の冷たさ。
「私」が広がりはじめる。
「私」が広がりはじめる。
絵:紙絵/水引草
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