2015年6月21日日曜日

搾取のばあさん



やまん~ばは、草を刈る~、
へいへいほー、へいへいほー。

さくしゅのばあ~さんだよ~、
へいへいほー。へいへいほー。


「あっ、ごめん!刈っちゃった!」
と、やまんばは草を刈るつもりで、手元が狂って刈ってしまったルッコラにあやまる。ルッコラにはあやまるくせに、オオイヌノフグリにはあやまらない。

3本芽がでたキュウリの苗には、
「ごめん!」
と、1本のこして他を刈るくせに、メヒシバには、「ごめん」の一言もなく、容赦なくメッタ切りだ。
これって、どーよ。不平等きわまりないではないか。

結局自分の好きな物だけをチョイスして、それだけ育って欲しいということだな。その草たちのお陰で、野菜も育ってくれているというのに。


近くに草がひとつもないきれいな畑と、そのすぐ隣に草が生えた畑がある。ここんところの雨で、草のない畑の方には水たまりがたくさんできていた。一方草だらけの畑は、まったく水たまりがない。あきらかに水は大地にしみ込んでいた。
これは草がその根っこを地面に複雑に降ろすことによって、土の中に空気の穴がたくさんできたためだ。そしてその根っこのお陰で土が耕される。
やまんばの畑も耕さないでもホクホクしているのはそのため。

そんな草さんの働きによって豊かになっているにもかかわらず、メッタ切りの嵐!搾取の嵐!
そんな搾取主義の自分をじっとみる。
草さんに何のお返しもできない自分をじっとみる。
ただ「ありがとう」と言うことしかできない自分をじっとみる。



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