2009年4月6日月曜日
いちご
私がまだ小学5、6年生だった頃、近所にかわいい女の子が住んでいた。
小学1年生ぐらいだったかなあ。彼女は学校が終わると、しょっちゅううちにやって来て、庭にある大きな鳥小屋で飼っているジュウシマツや文鳥、玄関口で飼っていた九官鳥をうれしそうにながめたり、ケモクジャラの犬のナナをからかったりしていた。
庭は荒れ放題。そのどーでもいい庭の片隅に、イチゴが植えてあった。その時期は白い花びらの可憐な花が咲いていた。二人はそのかわいいイチゴの花をいっしょに並んで眺めていた。
「かわいいねえ。きれいだねえ」と彼女。
「うん、そうだねえ」と私。
しばらく沈黙があって、
「ねえねえ、もうそろそろいいんじゃない?」と彼女。
「え?もうそろそろって?」
「うん、私はもういいと思うんだけどなあ」と、うれしそうに私になにかをねだっている。
「え?だ...だから、なにが...?」と、私。
すると、彼女はうれしそうにイチゴの花を指を指して、
「ほら!だってもうお花が咲いているでしょ?その下を掘ってみようよお〜。
もうそろそろイチゴさんが土の下に出来てるかもしれないよ〜」
彼女はイチゴがジャガイモと同じように、土の下になるもんだと信じていた。
私の頭の中で、ジャガイモみたいに土にまみれたイチゴの姿が浮かんだ。
思いもよらないかわいい勘違いに、まちがいを否定も出来ず、
「ま....、まだなんじゃないかな〜」
と、その場をごまかした私であった。
わが畑もそろそろイチゴの植え時。
近所の友達の子供たちは、あのかわいい勘違いをしてくれるだろうか?
絵:coopけんぽ表紙 「お花見」
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3 件のコメント:
ちょっと、無理かも。
りうもかんも二人とも。我が家の壁に出来ていたイチゴ食べたことあるし。
はるはまだちょっと可能性あるかなぁ・・・。
でも、そんなおじょうさん、おぼっちゃんに育ったらいいねぇ。
ありゃ、残念。もう真実を知ってしまったかあ〜。
でもそんなおじょうちゃん、おぼっちゃんにそだったら、どーなるんじゃい。
トマトもナスも花が咲いたら、みんな地面を掘り返してしまうではないか。ほとんどイノシシ...。
あ、イノちゃんはそんなアホではないか。
え?壁?
まいううーぱぱさんちの壁にはイチゴがなるのかー。
え?壁?
・・・すいません、塀でした。
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