2018年2月12日月曜日

探求の衝動


気がつくと、ネットサーフィンしていた。

さんざん見て来た非二元の動画をまた見返している。
どこかに新たな考えをもったお人がいないか。

これも見た、
このひとも知ってる、
このひとはちょっといやだ、
このひとはここまでしかわかってない、
もっと、なにか、すとんと落ちるようなことを言ってくれる人は。。?

あ。。
クリックし続ける手が止まった。
何探しているんだろう。。
そのとき、ある動画の女性が言った。

「じっとしていられないのよ。
今ここに、ただいることがとっても居心地が悪いの。
常に、次へ次へと行こうとしている衝動があるの」

それ、わたしじゃーん。

だからクリックし続ける。
次の何か、次の発見をさがして。

これが無意味なことは百も承知だ。
外には探すものなどないと知識ですでに知っている。
外に答えなどない。

マウスをもった手をそっと離す。カラダが何かを探して振動しているのを感じる。
椅子から立ち上がり、キッチンでインスタントコーヒーを入れた。
裸足で庭に出て、石の上に座る。
目の前にある一枚の木の葉っぱを見た。

だめだ。
じっと見てられない。
カラダはじっとしていられない。目を一点に集中させることも出来ない。
探している。次の何かを。。。

地面に視線を落とし、全身を感じる。胸のあたりがざわざわする。
く、、、、苦痛だ。。。
それでもじっとその苦痛の中にいた。


ふと、これもエネルギーなのではないか?と気づく。
エネルギーが揺らめいている。エネルギーが波打っている。

それを私は、「衝動」ととらえた。
それを私は、「探求」ととらえた。

自我はあらゆるものに「名前」をつけた。
このエネルギーは「怒り」
このエネルギーは「悲しみ」
このエネルギーは「恐怖」
このエネルギーは「コーヒー」
このエネルギーは「椅子」
このエネルギーは「パソコン」
このエネルギーは「人間」。。。

そして、今のこのエネルギーの波に、
「探求の衝動」と名付けたのだ。。。

それに気づくと、その「衝動」は一気に冷めた。
さっきまであった落ち着かなさは消えた。
目の前の一枚の葉っぱを、静かに見ていられる私がいた。



「Mayhem & Mass」ミステリーシリーズ表紙イラスト



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