2010年7月7日水曜日

自分の匂い





だんだん暑くなって来ると汗をかく。畑の中で上半身や額に汗している自分に気がつく。わたしゃ、今までこんなに汗をかいたことがない。運動だいっきらいおばさんなのだ。

べたべたになったまま家に帰る。このごろシャワーも浴びないし、べたべたのTシャツも着替えない。実はその方が、あとで皮膚がさらさらになってくるのを知ったからだ。汗はあえてとらない方がいいような気がしている。その汗が乾くと皮膚のまわりにビロードのような自然な膜ができ、触ってべたべたするような不快感がなくなるのだ。ところがシャワーを浴びて石けんでこすると、皮膚は乾いてもべたべたといやな感じが皮膚に出来る。

私たちはどーしても、「身体から出るモノは汚い」「イケナイもの」「即、除去!」というパターンを持ってしまっている。デトックスなどという流行ものも同じ頭のパターンから来ている。一度ついちゃったパターンはそう簡単にはとれない。それにギモンを感じる瞬間もない。そりゃそーだ。テレビをつければ薬のコマーシャルばかりだ。シャンプーリンス、化粧品、消臭剤、歯磨き粉、除菌石けん、洗濯洗剤、食器用洗剤、医薬品。。。みんな、これで治る、あれで除菌できる、それできれいになる、とタタミカケルように洗脳して来る。身体から出る皮脂油はいけないもので、外にある菌はいけないもので、頭痛など身体がおこす支障も、即とりのぞかなければいけない。畑はつねに消毒しなければいけないから真っ白い石灰を蒔く。

私たち現代人の頭は、ニンゲンが出す自然なモノは、基本イケナイものだから、まず除菌や駆除しないといけない思い込んでいるようだ。人類という生き物が出来て、いったい何億年たつか知らないが、そんな昔っから除菌していたんだろうか。少なくともアメリカじゃ、除菌なんてえものはなかったど。(私がいた2004年までは)
だからそうヒガチになって「じょきーん、じょきーんーと、人馬ーは進む~(それを言うなら徐州だろ)」とお題目唱えなくてもいーのだ。かえってヒステリックになって、よけい病気を生んでいるように見える。

「ビンボー草(ハルジオンのこと)は、とらなきゃいけないのよ」
近所のおばさんは私に忠告してくれる。
「花粉でもねえ、いい花粉と悪い花粉があるのよ。これは細かい花粉で皮膚についたらとっても身体に悪いのよ。だから悪いことは言わないわ。早くこれを処分しなさい」
確かにスギ花粉に私は反応して苦しかったけど、別にスギ花粉が悪いわけではなくて、どっちかっちゅうと、過敏に反応してしまう私の身体に何か問題があったのだ。その過敏に反応してしまう私の身体と除菌は、関係ないことだと思うだろうか。あらゆることを「取り除く」ことで、私たちは大事な何かを失っているのではないだろうか。

今の世の中、あれもこれもだめだだめだと言う。そのおかげで、人はたいへん生きづらくなった。いっぺんぜーんぶ肯定してしまったらどうだろうか。自分が出すうんこもへも汗も体臭もフケも皮脂油もぜーんぶ受け入れる。するとそれを取り除こうとする石けんもシャンプーもいらなくなる。

実は今、私は自分の体臭を感じている。これがなんとも言えずカグワしい甘い匂いなのだ。昔、犬のユタの毛の中に顔を埋めて嗅いだ、あのにおいがする。生き物が持つ独特の匂いなのだ。包まれるような、あったかい甘い匂い。きっとこれが私が持つ匂い。生命が自然に働くと、みんなこんな甘い匂いがするのではないだろうか。野菜もそうだ。ぴりぴりしたり、苦かったり、いがいがしたような感触のものは警戒心をおこさせる。それはこれは毒だぞというシグナルのようなもの。しかしこの甘い匂いはそれとはまるで正反対の、安全を確認させてくれるような匂いなのだ。ところが残念なことに、この匂いはあまり外には発散されない。むしろ無臭に近いようだ。

この季節、自分独自の匂いを知るいいチャンス。
貴方も自分の香水の匂いをかいでみませんか?
(うげ~っていうなよ)


絵:メディアファクトリー新書表紙/「アイドルと病」

6 件のコメント:

まいうぅーぱぱ さんのコメント...

こういうことはなかなか人には理解されないです・・・。
ほぼ石鹸やめたけど、シャワー無しは、もうちょっと一頑張りが必要かも・・。
なんてったっておやぢですからね・・。
油の含有量は違います。

つくし さんのコメント...

私ももちろん夜寝る前はシャワー浴びてますよお。

油の含有量ですかあ(笑)。
ぱぱさん、そんなにあるとは思えないんですけど。
おやぢ、いつもこざっぱりしたお顔してますが。

ラムチョップ さんのコメント...

初めまして。機械に疎く、名前の入れ方などがよくわからなかったので、もし変な表示になっていたらごめんなさい。

私も湯シャンと、石鹸なしの体お湯洗い、水だけ洗濯を始めてみました。
髪は今のところすごく調子良いのだけど、体はまだ臭わない時と臭う時があるのです。何がいけないのだろう〜。入浴せずシャワーのみだからなのか、家族がいたるところで洗剤やら石鹸やらの洗浄剤をてんこもりに使ってるからなのか…。

つくしさんは石鹸を使わなくなってすぐにどこも臭わなくなりましたか?たまに悪臭がする時も全くないのですか?

つくし さんのコメント...

ラムチョップさま、いらっしゃいませ。
花も恥じらう乙女が湯シャンですか。いけませんねえ。そのまま『やまんば道』にひた走ってしまいますよ。

私の場合、体臭をいいにおいって思ってしまうところがあるので、ラムチョップさんのこたえにならんかもしれんのですが、悪臭があるときと言うのは、何かしら身体の中が調節をしているんじゃないでしょうか。酒飲みすぎたとか、毒素出しているとか。人体というものは自然と同じで、私たちが考えるちっぽけなアイディアではおよびもつかない英知を働かしてくれているのです。そのままなりゆきにまかせて、ほっときましょう(笑)。

脇もあそこも、ついでにお湯だけにしちゃったら?ウチのダンナは石けん使っているとき、足も脇もすごーくくさかったけど、石けんやめて全くにおわなくなった。
あまり気にしてムキにごしごしやればよけいニオウかもしれないよ。大事な微生物まで取り除いちゃうかもしれないし。

ラムチョップ さんのコメント...

つくしさん、お返事ありがとうございます。

え、既にヤマンバ道まっしぐらですよ、もう引き返せません(笑)

だって髪なんかお湯で洗うだけでこんなにサラサラになるんだもの。しかも何だか頭皮が甘いにおいがするんです。じぶんでも信じられない。シャンプーを使って毎日ガシガシ洗っていた時は、頭皮臭子だったのに。

つくしさん、体臭を良いにおいと感じるなんておおらかで素敵!つくしさんみたいな人が増えてくれたら嬉しいのにな。
今の世の中は除菌ブーム、香りでごまかせブームがひど過ぎます。

テヘヘ実は…もう脇とアソコと足にもほぼ何も使ってませんぜ、姐さん。使うとしても月に一度〜二度くらい。ガスールという粘土の粉を少量溶かして使っています。
でもね、きっとこれもやめて、もっと自分の体を信じた方が良いんだろうと思う。
しばらく何も使わず、流れにまかせてほっとこうっと(笑)

つくし さんのコメント...

あーあ、ラムチョップさんもやまんば道ひた走りですか。
こうなりゃ、この世にやまんばを増やしましょー。

女は宝石やジュエリーを与えられる事によって男にコントロールされているという説があるけど、石けん関係もある種のメディアによるコントロールだと思う。

そういうしがらみを意識的に外していくと、本来のニンゲンの底力がでるようなのです。