2017年10月4日水曜日

さびしさもいいもんだね



秋。

夏の慌ただしさが過ぎ去って、金木犀のかおりが町を満たすころ、私の心は冬へと準備を始める。
心にすこしひんやりと、寂しさの風が吹き抜ける。大好きな金木犀と、寂しさの風。相反する感情が互いにバランスを取りながら、微妙な心を保っている。

寂しさは、心をぎゅーっとさせる。
そのぎゅーっとなる感覚が、心細くさせる。カラダもすこーし寒くなる。心はその不安定な状態からのがれようと、安心を求めて何かしようとする。
カラダをあっためようと、お茶を入れるかもしれないし、暖かい服を羽織るかもしれない。何か楽しい予定を思いだそうとして、心を暖かくさせようとするのかもしれない。

そして今朝、その寂しさの風がグッと吹き寄せた。
なにもしなかった。
心のぎゅーを感じながら、

ああ、寂しさもいいもんだな。。。
はじめてそう思えた。

ずっといやな感情を排除しようとして来た。
それがじょじょに排除ではなくなって来ている。

心の中をのぞくことは怖いことのようにおもえる。だけどじつは怖いことではないことを知る。むしろ興味深い。
この状況のとき、こういう反応と、感情と、無数の言葉を呼び起こすのだなと、自分の中でパターンを見始めるのは、自分の新たな発見だと思わないか?

寂しさもまたいいもんだね。
雨が降って来た。


絵:「山辺の道」


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