2011年5月28日土曜日

シャンプーなし、どおよ!





ひさしぶりに美容室にいく。ここの美容室は私のお気に入り。なかなか豪快で臨機応変な店長がいてくれるからだ。なんと同郷であった。お互い高知の田舎から出てきてウン十年。高知県人同士なのに標準語で喋ってしまうが、やっぱり高知は高知。話が弾む。

「髪、全然さらさらじゃん!」
何でも喋ってしまう私は、止めた直後から、
「シャンプーリンス止めたから、シャンプーしないでちょ」
とお願いをした。

店としてはたまったもんじゃない。いきなり常連客が、シャンプーしなくなったからよろしく!と言って来た。しかもあぶらでべとべと。なのに店長はイヤーな顔一つせず、興味深そうに髪を触って感触を確かめた。
あれから2年と3ヶ月。自慢じゃないが、シャンプーしたのは二〜三回。それも洗面器にお湯はって、シャンプーをセミのおしっこみたいにちょろっと出しで薄めて洗っただけ。
その後じょじょに変化をする私の髪をじっと観察して来た彼女であった。

がばっ!
店長は手で私の頭を押さえ、自分の鼻をガッと近づけて、頭のにおいを嗅いだ。その瞬間をガラス越しに見た私は一瞬ドキッとした。
「におわない。。。」
ひとり言のようにつぶやいた。
それから「なんで?なんで?どうしてこんなにさらさらなの?」
髪を触りながら何度もつぶやいた。
切った後、スタッフのお姉ちゃんと私の両側でドライヤーで乾かしながら、
「乾くの速や〜!」と二人で合唱する。
そーなのだ。私の髪は、いまや薄いあぶらの皮膜におおわれて、さながら水に入った鳥の羽根のごとく、一瞬で乾くのだ。

髪の白髪は相変わらずだ。日々まい進を続けている。やまんばとしては、このまままっちろになってくれるのを楽しみにしている。しかし、抜け毛はへるし、枝毛は皆無だし、かゆみはないし、髪はコンブトになるし、乾くの速いし、さらさらだし、お金かからんし、何ら問題はない。ニンゲンのカラダはなんと完璧であろうか。それだけで自己完結しているのである。この事を教えてくれた「野人エッセイす」の偉大なる野人さん、ありがとー!
ただ一つだけ仕事がふえたのは、ブラシにつくフケのようなものだ。だがかといってフケ症になっているわけではない。単にブラシにつくだけだ。これを髪のうんこと呼んでいる。髪のうんこをブラシからとるのは私的には楽しい時間。ほら、鼻くそとったり、耳くそとったりして集めるの楽しいでしょ?あれと同じ。(楽しいのはあんただけ)ティッシュの上にまとめて、丸めて、匂いをかぐ。私のフェロモンのにおいがする。しかし前と比べてずいぶんにおわなくなった。かすかににおいがするだけである。それがちょいと寂しくもあったりする(変態か)。

店長のような臨機応変な人はなかなかいない。お客のくせを、すべてそのまま受け取ってくれる。彼女は豊かな心をもった人なんやろね。

最近のみんなの心持ちは、どっちかっちゅーと、あれもこれもだめだだめだとヒステリックなかんじ。でもさ、それもほんの少しの心のもちようでころっと変わることなんかもしれん。豊かな心とヒステリックな心は、ほんのちょっとの違いなのかもしれん。ほんのちょっとのね。


絵:オリジナル絵本より「大天狗」

6 件のコメント:

まいうぅーぱぱ さんのコメント...

もう自分の中でもシャンプー無しは、普通
になって来ましたね。
私のばやいはサラサラじゃないみたいけど・・。

つくし さんのコメント...

ぱぱさんのばあい、つやつやってか?
ヘアリキッドつけなくても、リーゼントだぜい。

まいうぅーぱぱ さんのコメント...

おやぢあぶらってやつ?

つくし さんのコメント...

うげー、おやぢあびゅら。げー。
でも男前だからゆるす。(おばばのえこひいき)

りす吉 さんのコメント...

こんにちは。
櫛につくネチョッとしたものはなくなったりはしないんですね。
時間が経てば減るのかと期待してました…。

シャンプーしてた頃とは比べ物にならないくらいに櫛が早く汚れるので、日々びっくりです。

つくし さんのコメント...

りす吉さま。

髪の毛の質にもよるんだと思います。何事もハウツーもんのようにはいかないのです。それぞれのカラダだからねえ。
やまんばの場合は、だいぶへりましたが、それでもついてます。どーする?やめる?
からだの調子がよくなったと実感できるのは、歯磨き粉止めてから。虫歯もないし、喉の調子がいい。うんちのでもよくなったやまんばでした。