2009年10月2日金曜日

畑の自覚




大地は「畑」であることを自覚して野菜を育てる...?

うちの草ぼうぼう畑はおおまかにいうと、逆L字型をしているが、その場所場所にそれぞれ特徴がある。入り口に近い北の畑は、東西を木にかこまれて、あまり日がささない。とりあえず蕎麦を蒔いたがこれからどうやっていくのかまだ検討中。南に下って東側は、おばあちゃんが耕しているエリア。ここは一日中よく日が当たって野菜作りにいい場所。まん中もこれ最高。だが、西の端っこはなんだかよくわからない。どうも、土地がまだ「おれは山の土地だ」と思い込んでいるフシがある。

私は推測する。かつてあった畑は、まん中から東の方。逆L字型に出っ張った西の方の畑は、一度も畑になったことがないんではないだろうか。だって夏の間はえていた草が、なんかこう、かわいくなかったのだ。背丈も高いし、強いし、だいいち土ががっちがちに固い。その固い大地にこれでもかというくらいずうたいのでかい木みたいな草が根をはる。その横綱級の草を刈るにも力が入る。うおりゃあ〜〜〜っ!てないきおいで切らないと切れない。
一方、まん中より東の方に向けていくと、生えてくる草が、なんとなくかわいいのだ。ちょんちょん、なんて切れちゃう。
フシンに思った私は、以前そこを耕していた人に聞く。やはりそうだった。私たちは「広げすぎた」のだ。

つまり、土地は「おら、畑だよ〜ん」という自覚がある土地と、
「おらは、山だ」と思っている土地があるんではないかと。
だから大根植えても、壬生菜植えても、なんだかちぐはぐな出方をする。ここは芽が出るけど、ここは出ない、とか、出る時期を気分で変えてみたり。一方かつて畑だったところは、ちゃんとみんな仲よくいっせいに芽を出すのだ。


たぶん土地は記憶するのだ。いくら何年も放置されていても、いざそこをきれいにし、新たな野菜の種が入ると「あっ、これね」と、記憶の中から思い出し、ちゃんと育ててくれる。しかし大自然の中で弱肉強食の世界で成り立っている土地は、
「あん?何だこれ。このやわい種は?」とつめたく反応する。
びびった種さんが、
「すいません。ちょっとヒヨッコですけど、ひとつこれからよろしくお願いします...」なんて言っても、
「ここはなあ、オレ様の縄張りなんだ。おまえのようなもやしみたいなやつは鍛えてやる!」ってなかんじに土の中でなっちゃっているんでしょうなあ...。

だからこれからこの「おら山だ」と思っている場所を、
「あんたは、これから畑!」と洗脳していかなければいけないのだ。

(どーやって?口で言うのか?うちのかあちゃんのように)


絵:ハーバードビジネスレビュー掲載「シーザー」

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