2009年2月20日金曜日

花粉症



春は私の誕生日シーズンだというのに、気が重い。
やってきました、花粉満開シーズンに、確定申告シーズン。
こともあろうに、家の前は杉山。みなさん、花粉が飛ぶ瞬間を見たことあります?

あれは、こう、小麦粉の中に手を突っ込んでむんずとワシづかみにし、花さかじじいのごとくパア〜っとそこらにふりまいたのと、まったく同じ状態。
すると憎たらしいことに、一本の木が花粉を飛ばすと、思い出したかのように、あとからあとから次々とべつの木が噴射するのだ。
ぱっ、ぱっぱっ、ぱぱぱぱぱ、ぱあ〜〜〜〜〜っ、と...!
あたり一面真っ白になり、私の頭も真っ白になる。

そう、私はシチーガールの花粉症。ここいらの人たちゃ、なりもしない病い。一人顔を腫らしマスクで隠して畑する。

どうも何かに集中しているときは、花粉症の症状が止まっている。でもふと「あ、花粉...」とか思い出した瞬間「へっくしょ〜ん!」となるのだ。人は絶えず自分のからだを意識するわけではない。でもこの季節になると、首から上にばっかり意識が行く。気がついたら手がいつも首から上にある。何かしらいじっているのだ。(鼻くそほじっているだけか?)

心が花粉症という言葉に過敏になっているのかもしれない。で、からだもいつのまにか花粉症という症状に過敏になっている...?

意識しないでいると存在も気にしない目や鼻の奥。ひとたび花粉というキーワードに触れたとたん、いきなり目の中がかゆくなり、鼻の中が膨張を始める。心が動揺を始め、何か電気のようなビリビリ感が鼻の先端にまで達したとたん、「へ〜〜っくしょん!」となる。この一連の流れは何なのだ?ある種のパターンを持っているのかもしれない。

私は薬はあんまり好きじゃない。だから飲み薬は飲まない。でもかゆいのは苦しいので、目を洗う薬は使う。のどのかゆさもひどいのだが、今年は新兵器を見つけちゃった。

北海道の友達からもらった『ハッカ油』。これがすごい。鼻が詰まって苦しくなると、ティッシュを折りたたんで小さくし、ほんのちょっとだけハッカ油をつける。たらしてはいけない。ものすごい強いから、吸い込んだら死んでしまう。だから容器のウチ側についた液体を指につけてそれをティッシュになすりつけるだけでいい。それから、そのしみ込んだティッシュを鼻に当てて息を思いっきり吸い込むのだ。

くわ〜。メントールが鼻の中にしみ込んでくる。一気に鼻が通る。
今度はかゆ〜いのど。そのティッシュを口に当てて口から息を吸い込む。
くわ〜。のどのひりひり感があっという間に消えていくのだ。
なんでこんなことで症状が治まってしまうのだろう?一体メントールって何?

たぶん私はチョー軟弱な身体になっちゃっているのだ。自然の摂理である冬から春へという変化についていけてないのだ。山の草や木は「お、春です」と、ふんふん花粉を飛ばして前進しますが、私は「えっ?えっ?ちょ、ちょっとまって〜」とからだが春の変化に置いてけぼりになっているのです。

今の季節は、目には見えないがすべてのものが、あらゆるところで爆発的な変化を始めているのだ。静から動へ。昔の人々はその爆発的な変化に容易についていけた。それは自然のリズムに調和していたから。けれども私のようなぽやぽやした現代の恩恵に浸っているものは、そのダイナミックな自然のリズムに負けてしまうのだ。


鼻をぐしゅぐしゅさせながら畑をやる私を棟梁は横目で見る。
「心入れ替えりゃ、いいんですよ」という。

自我の強い私は、そうおいそれとは心入れ替われないんですな、これが。

絵:『自然は緑の薬箱』イラスト

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