2013年6月13日木曜日

石臼は地球が回る音?



近所の人から、石臼をおかりした。
石臼なんて、使ったこともなければ、触ったこともない。どーやってまわすのかもしらない。
見よう見まねで時計と反対方向に回した。

ゴトゴトゴト。。。
地響きがする。
ウチで作った小麦をおそるおそる穴にちょろっと入れる。

ゴトゴトゴト。。。

なんと!上下の石臼の間から白い粉が出てくるではないか!
嬉しくなって、小麦をめいっぱい入れる。
すると石臼の間から、小麦がそのまんま出てくる。
やまんばは下に落ちた、そのまんまの小麦をまた穴にどばあ~っと入れる。
すると粉とわずかにくだけた小麦が出てくる。それをまた穴にどばあ~んと入れることを何度も繰り返す。
そーやって、汗をかきかき1時間かけて粉っぽいものができた。
それをケーキのふるいでふるう。

砂みたいな粉が出来た。
親指と人差し指で感触を確かめる。ざらざらする。
とーていパンに使う小麦にみえない。

。。。。。

思いついて、ふるいを二つ重ねてふるってみた。
すると前よりはるかにマシな粉が出来た。
やったあー!

重さを量ってみる。
130g。
ふるいに残った、いわゆるふすまの重さ、419g。

。。。。。orz。

どんだけムダだらけやねん。

その貴重な粉でフランスパンを作ってみる。
動揺していたらしく、水の分量を倍近く間違える。
きゅうきょ、市販の粉を足す。
自家栽培の小麦6割、市販の粉4割で出来上がったフランスパン(風)。
ワイルドな、おもたい、そぼく~な味がした。

後でネットでいろいろしらべる。
石臼に入れる小麦は、穴にちょろっ、ちょろっとだけ入れながら回すらしいのであった。
やまんばの豪快な入れ方はありえないのであった。
いったいどんな粉を作ってしまったのであろうか。

だけどあの石臼を回す時間は、なんとも言えないゆったりとした一瞬だった。
何というか、あの、ゴトゴトゴト。。。という音は、地球が回っているような、そんなかんじだったなあ。
昔の人はあんな風にゆったりとした時間を過ごしていたんだなあ。

今はスマホなんか人差し指でさっさっとなでて場面を変えることができる。そのスピード感たるやすごいものがある。すべてを指でどけていくようなそんな気軽さというか、ドライ感というか、バーチャルというか、なんか物質的に実感のない世界に突入している今の私たちの感覚。

でも石臼をひく、という行為は、そんなものとはまったくちがう感覚を呼び起こしてくれた。手には少しまめができたけれども、たしかにそこにある静かに流れる沈黙の時間。
心に浮かび上がるいろんな想いも、浮かび上がっては消えていく。なんともいえない、今というものを実感させてくれる味わい深い時間なのだ。

そこにはただ地球の回る音だけが響いてくる。
ひょっとしたら、すごくだいじなことなのかもなあ。



2 件のコメント:

まいうぅぱぱ さんのコメント...

お疲れ様でした!難しいもんだね・・・

つくし さんのコメント...

おもしろかったよん。
じつは味をしめてしまっていて、ふるいも、もっと目の細かい絹ふるいを注文してしまった。
ぐふふ。たのしみ〜。