2011年9月7日水曜日

気になりだしたら止まらない





おとついの夜中おしっこに起きたあと、ふと庭の木のことが気になった。
わが家は庭に木がたくさん植わっている。引っ越して来た当初は、年に一度職人さんに来てもらい、木の剪定をお願いしていたのだが、毎年かかる経費を削減しようと、3年目から頼むのを止めた。それから私が庭の草を刈り、低木を剪定し、上の手の届かないところはダンナに剪定してもらっていた。
畑をやり始めてから、草や毎年の剪定に疑問を感じて、ほったらかしてみることにする。草は毎年冬になると枯れて消えていくんだし、木の枝も毎年剪定するのにやっぱり春になるとぐんぐん伸びて大きくなる。
「切っても切っても伸びるぜえ。。。」
と、いやんなるので、一回ほったらかしにするとどーなるかやってみるか、とそのまんまにした。

その結果。ジャングルになった。
今わが家は、ジャングルにかこまれたおうちになった。これはよろこんでいーのやら、かなしんでいーのやら。。。

そんなこんなで今の状態に至るのだが、そう、おとついの夜中、突然そのことが気になった。
近所はちゃんと手入れが行き届いている。うちだけぼーぼー。いつだったか、近所の畑のおっちゃんが、畑見りゃ、あんたんちの様子が分かるっていわれて、そのまんまじゃないか!これはウチの畑と全く同じ状態!やばい!ちょーみっともない!

心が動揺にうちふるえ、ぶるぶるしたまま止まんなくなった。すると次から次へと、あそこのあれが汚い、ここのそれがだらしない、とどんどん出て来る私の怠惰さ。こーなったら、寝るどころの騒ぎじゃない。お目目ぱっちり、心臓どきどき。いけない。寝ないと。心のうるさいの、止めないと!
止めようとすればするほど、なおいっそう暴走する。夜中に一人暴走族になる。
おりゃあ~~っ!

止めようとする意識は、それに対して抵抗していることだ。状態に抵抗するということは、それがいけないこととして否定をしているということだ。心は、押しとどめようとすればするほど、なおいっそう強烈に暴れだす。

そう、私は自分が怠惰だということを認めたくないのだ。心は、草ぼうぼうなのも、庭がジャングルなのも、これこれこう言う理由があってやっているのだ、と言い訳しているのだ。
誰に?自分に。
夜中に自分が自分に必死になって言い訳をしている。でも言い訳を聞いている自分はちっとも納得していない。だからなおのこと必死になって言い訳する。それが心が暴走する状態なのだ。

キリのない自分の中の葛藤にうんざりした私は、別の方法を思いつく。よし、私は怠惰なのだ!とひらきなおった。
私は怠惰なのだ。怠惰なのだ。だらしないのだ。きたらなしーのだ。
そしてひとつひとつだらしなーい場所を思い出す。
庭のジャングル。じっとながめる。あーきたならしい。。台風の時電線に引っかからないようにと切った枝。枯れて茶色になってきたならしく駐車場に放置したまんま。あ、大根のぬか漬けをあまりに臭いのでビニール袋に入れたまんま庭の東側に放置したままだ。ゲー、あれの中どーなっているのだ?それもじっとみる。心がいちいち言い訳をしそうになるが、それも無視。何の解釈も言い訳も非難もせず、じーっとみる。部屋の中に飾った枯れた花。冷蔵庫のぐちゃぐちゃ。畑の草ぼーぼー。小屋の中のぐちゃぐちゃ。床下の得体の知れないもの。。。あらゆるだらしなさをじーっと頭に思い浮かべて見続ける。
すると、いつのまにか心が静かになっているではないか。
え~、単にだらしないことしてあるものをながめただけなのだ。それだけで心が静まる???


現実を見ることは、おそろしーことだ。特に自分がいけないことだ、と思っていることをしている現実を。いけないことだと思っているくせに、それをやっちまわなきゃいーのに、「あとでやろ~っと」といって、ほったらかす。そんで時々気になって横目ではちらっと見るけど、見なかったことにしたりする。そんな自分の至らなさを思い起こし、また自己嫌悪する。
いけないことだといーながら、やり、それをやっちまったあとで自己嫌悪する。君、バカじゃないの。

だけどねえ、人はそう、おもわずやっちまうのよ。それはそれでいいじゃないの。んで問題はそっから先。自分批判が始まるのよ。私も私の中に監視人を作ってしまった。いちいち「そこ、ダメ」「ああ、それもいけない」と自分で批判する存在。それが自動的に動くの。んでその監視人をもっている間は、まだマシ。と思っている。ところが、それが心につねに批判とそれに対する言い訳を繰り返すと言う、葛藤を生み出したのだ。
そうすると、実際自分がやったことを直視することが怖くなる。だから見ないようにする。避ける。逃げる。ほかのことをする。そのうち忘れる。だいたいこんなことをニンゲンは心の中で常日頃やっているようだ。

非難も批判もしない。ただそれを直視する。たったそれだけでいいのだ。もしそこで心がそれについて非難も批判もしなければ、自分で言い訳も正当化も出て来はしない。
キーワードは、非難と正当化。
とにかく自分を非難するな。いけないとか、いやだと言おうとしたくなる衝動をぐっとおさえろ。
ただそれをじっと見る、観察する。そこから逃げない。するといつのまにか心が静かになる。さっきまで自分で恥ずかしいと思っていた心がどこかに行ってしまった。

しーんとした夜の空気の中で、やまんばはいつのまにか眠っていた。


絵:「密室入門」MF新書表紙イラスト

4 件のコメント:

まいうぅーぱぱ さんのコメント...

考えたり、悩んだり、忙しいでんなぁ・・。
私ゃ、この手は悩まないようにしてます。めんどくせぇ・・と思うだけです。

つくし さんのコメント...

飲んで寝られたら、なによりです。

まいうぅーぱぱ さんのコメント...

飲んで飲んで飲まれて飲んで
そして男は黙って寝るのですよ・・。




でも、次の日は、二日酔い・・・

つくし さんのコメント...

あーあ。
なんだかなあ。。。