2011年4月4日月曜日

美しいすっぴん




震災に遭われた方々のご苦労は、こんな東京の片隅で、日々平穏に生きている私には、想像すらできない。本当にお悔やみ申し上げます。

しかしそんな中で、なぜか心が温かくなるシーンがある。それは、震災に遭われた方々が、自分たちで率先してきびきびと動いている姿だ。

どこだったか忘れたが、政府からの援助も何も来ず、やっと逃れて来た高台でみんなで集まって住み、災害からまぬがれた方々からお米が次々運ばれてき、野菜も畑からもらい、地下水で食事を作る。そして津波にあったがれきの中からおちゃわんや、ポットを探し出してくる。泥の中に埋もれた冷蔵庫の中から、ニンジンやチョコレートを見つけ出して来て、とってもうれしそうだ。その顔には、見栄やてらいがない。

そして最近気がついた事は、テレビに映るおねえちゃんやおばちゃんやおばあさんが、み〜んなすっぴんだってこと。そしてその顔のなんと美しい事よ。そこにはシワを隠すためにぬりかべのようになったおばちゃんの姿はない。自身のシミやシワを気にする事なく、テレビに向かってほほえむ。きっと震災前なら、スッピンの顔をテレビに見せる事なんて、信じられなかっただろう。もちろん化粧品はすべて流されたに違いない。しかし何の見栄もないその笑顔は、何というか、自然体でとっても美しいのだ。

ヒンシュク買いそうだが、ここだけの話、ボランティアにきている人々の中には、いいことをしている私って素敵!、と言う思いが見え隠れしている人がちらほらいる。なんか緊張感がないのだ。なんだかあまり気持ちよく見られない。震災の人々を元気づけようと、歌をもってやってくる人たちもいる。正直言ってその合唱する顔は、自己陶酔にしか見えない。

それよりも、自分で立ち上がって自分で動き出す人々の、はつらつとした清々しい姿には心打たれる。
かっこいいよ!すっぴんおばちゃん!


絵「ポピー表紙/お花見ネコ」絵がおっきすぎて、スキャンに入りきれないよお〜。

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