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昔は、8月15日と16日は川や海に入っちゃいけなかった。
夏休みになると、毎日一人で海や川につかりに(高知では泳ぐとは言わない)いってたが、その二日間だけは、じーっとウチで遊んでいた。
小学生が一人で川や海にいくっていうのも、今じゃ考えられないことだろうなあ。監視のお兄さんがいるところでもないのに。
それでもその二日間だけはちゃんと守った。
なぜかというと「その日はエンコウが出るから」なのだ。エンコウとは、全身緑色をしたカッパだ。
何でもエンコウは、川や海で泳いでるニンゲンの後ろにそーっと回り込み、ケツの穴からその長い腕をつっこんで、お腹の中にある腸をずるずるずる〜っとひきだしてしまうからだそうだ。そんな話しを両親や近所のじいちゃんから聞いた時にゃ、背筋がぞぞーっとして、夜中にうなされる。だもんだからぜーったいお盆には水辺には近寄らなかった。
このところニュースで水難事故があるのを聞くと、「本州はお盆に水に入ってもいいのか?エンコウはいないのか?」と思う。ひょっとしたら、お盆にそんないたずらをするエンコウは、高知の田舎にしかいないのか?
誰か私のギモンにお答えくだせー。
絵:ラブロマンス・ブックカバー
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