去年近所の人からもらったエビネランが花をつけた。きれい。可憐で質素で、、イヤイヤ、ゴージャスだ。
やまんばの庭は草だらけ。カラスノエンドウ、ヒメオドリコ草、スギナ、三つ葉、ヒメジオン、などなどうわーっとはえている中で、冬の間にひたひたと土の下で自分の陣地を広げていったエビネラン。
去年寄せ植えに凝ったやまんばは、鉢の中で花が終わった苗を、直接庭に植え替えた。多年草の花たちは一体どうするのか、ほっぽらかした。今、じわじわと去年の苗たちが出現しはじめている。でも全体の3割ぐらい。あとの苗は消えたみたいだ。
やまんばはそんな植物たちをながめて楽しむ。
今、畑で種を降ろしている。しゃがんで草をよけている時、低い視線で草たちを見る。目の前に広がるかれらのコンポジションが美しい。
まるっこくってちっちゃな葉っぱが並んだスズメのエンドウ、葉っぱがレースみたいなナズナ、しゅんしゅんと長い茎を持ったノビル、ちっちゃなハコベの白い花、エンドウのピンク、オオイヌノフグリの青紫。それらが渾然一体となって、やまんばの目の前にある。
両手で四角を作ってその中の風景を眺めてみる。うわーっ、すごい。メトロポリタン美術館に飾ってある絵と同じか、それ以上に美しい。タペストリーのようだ。お日さまの光が葉っぱを透けさせたり、影を作ったり、もうありとあらゆる緑色がざわめく。先日新宿の百貨店でであったトルコの絨毯のようだ。
やまんばはそんな風景をみると踊りたくなる。思わず小躍りした。
今、展覧会の絵を制作中。
植物ってゴージャスだ。大好きなゴブラン織りも、イスラムの装飾もみんな元になるのは植物だ。その時代の職人さんたちは、すぐ身近にあるその草たちを感動とともにながめて、それをモチーフにしたのかもしれない。やまんばもその植物たちのゴージャスを絵にしてみた。
ありがとう、植物たち。
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