2018年11月22日木曜日

最近見た映画、ドラマ。


最近見る映画やドラマが、外の問題に対して戦っているというよりは、
内面に向かって取り組んでいるものが増えていることが興味深い。

最近見た映画で面白かったのは、
『ミッション・エイト・ミニッツ』
死ぬ人物の、最後の8分間の中に入って、ミッションを遂行する話。

その同じ監督の処女作、
『月に囚われた男』
自分とは一体何か?どこまでが自分なのか?
という問いを突きつけてくる。
これはヤラレたなあ。
ちなみにこの監督はデヴィッドボウイの息子なのだ。
さすが宇宙人の息子!w

デンゼル・ワシントンの
『フライト』
最後に震えたなあ〜。

同じくデンゼルの
『ウオーカー』
聖書ってこんな風に出来たのかもしれない、とおもわせてくれた。

『アンノウン』
これが自分だと思っていたアイデンティティが、解体していく。

『ミスター・ノーバディ』
最後の「死」を知る主人公が、不死の人々に語る言葉、
「君も私も存在していない」

『Lion』
25年間も迷子だった主人公の話し。事実にもとづいた話。
美しい映像。めっちゃかわいい男の子!

『ものすごくうるさくてありえないほど近い』
自閉症の男の子が、911で亡くなった父を求めて、たくさんの人々に会う物語。
まさにあの時間、わたしはNYにいた。
あの空気感をそのまま伝えてくれている。
あのとき、NYの人々の心は一体になっていたんだよ、ほんとに。


勧善懲悪のワンパターンからの脱出?
最近の若い監督は、外に敵を作って戦うことをやめたかのようだ。
人間とは何か?本当にこの世界はあるのか?
という問いを、私たちに投げかけてくる。
そういう映画を見るのは楽しい。



ドラマの方も、また何か変化がある感じがする。
今回の『下町ロケット』も、一話目を見たんやけど、
「あー、あたこれかー」って、見るのやめちまった。

問題が起こって、それに奮闘して乗り越えて、
やったー!バンザーイ!って達成感を共有して、
そしたらまた問題が起こって、それに向かって戦って、
七転八倒の末に、やっと乗り越えて、やったー!となって、
また問題が。。。。
それのなにがおもしろい?
やまんばはあきたーーー。

で、『僕らは奇跡で出来ている』
はおもしろいなあ。
今の人たちが抱えている閉塞的な義務感や価値観で、
いっぱいいっぱいになっていることを
はっきりとみせてくれ、
その中にすーっと入っていく主人公。

彼もまた自分の内面に苦しんだのちに生まれた別の視点。
まったくちがう視点からものを見ようとするヒントを与えてくれる。

外に問題を見つけて解決していくことは、もう限界がある。
本当は問題は外になんかなかったんだ。
内側にあったものを外に見ていただけだったんだ。

面白い時代がやって来る。



絵:「Hot Fudge Murder/Cynthia Baxter」/ペーパーバック表紙


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