久々の雨にもかかわらず、畑に行く。
ピーマンとししとうの苗がからっからに乾いているので、それを小さく切って畝の上にばらまいた。カラカラのシシトウの苗に真っ赤なシシトウの実がひとつだけぶら下がっていた。ほかのシシトウの実は白く透明になってよれよれして手で触るとすぐ破れた。しかしその赤い実だけは堅く力強い皮になっていた。
中はどうなっているのだろう。力づくでひき破ると、中にりっぱな種がぎっしりつまっていた。やはり、植物は子孫を残そうとする実は、こうやってしっかりとした皮で守っているのだ。
この苗は買って来たものだから交配種に違いない。しかしここまで必死に種を残そうとしているシシトウに敬意を払う。よし、交配種だろうがなんだろうが、ここに植えよう。
ナス科の野菜は連作なんてもってのほか。やまんばはそんなジョーシキは無視。羽が生えて遠くに飛んでいくものや、鳥さんが好んで食っちゃって遠くに運んでもらうものではないもの、すなわちぼてっとその場に落ちて子孫を残すものはそのようにしてみよう。
さて、この畝をどーするか。ロゼッタ状に広がったギシギシやナズナさんたちがびっしり畝をおおっている。やまんばは、小さなクワを取り出して、浅く耕した。
雑草がひっくりかえされてしっちゃかめっちゃかになった畝を見てはっとした。
これはまるで、イノシシが掘り返したあとみたいじゃないか。。。
そういえば去年の夏、余った大根のさやを(さやのままだぞ)、フェンスの外にばらまいた。ある日イノシシが来てそこら辺りを掘り返した。それまで草ぼうぼうだったところにいきなり土があらわになった。すると間もなく、そこから次々と大根が芽を出し始めたのだ。あれよあれよという間に大根は大きくなった。いわゆる耕してもいない、がれきだらけの土の中に大根は育った。
よく自分の畑をイノシシにぐちゃぐちゃにやられた人が
「おう、イノシシに耕してもらったんでい」
と強がってみせるんだが、ほんとにそうだったりして。
考えてみると、山の土の中に空気が取り込まれるのは、根が張った草や木が死んで、その根が枯れて空洞になったり、ミミズやもぐらやヘビなどが穴をあけて空気を取り込む事ぐらいか?空気が土の中にどっかんと取り込まれるのは、ひょっとしたらイノシシが大胆にほっくりかえす事ぐらいなのかもしれない。とすると、彼らがミミズなどを求めてあっちゃこっちゃ掘り返すのは、結果的にその土に空気を入れたり、活性化させているんではないか。そうやって山や自然のバランスが作られているんではないか。
「あれ?オレって働いてる?」
と、振り返るイノシシ。
最近、畑に来る度におもうことがある。畝の中に空気が欲しいなあ。。。
なぜかひっくり返したくなる衝動に駆られるのだ。土の中にもっと空気を、と。
あれ?アタシって、イノシシしてる?
してる!に1000ガバチョ!!
返信削除1000ガバチョ、いただきましたあ〜!
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