2023年7月16日日曜日

へえ〜そうなんだ


 先日、占ってもらった。

占いをしてもらいに行ったのは人生で2度目。


1度目は東京に来て間もない頃、

毎日つらい仕事に行く途中にいた辻占いの人。

いつか、ものすごくサイテーの状態になった時に

占ってもらおうと目論んでいた。

そしてその日がついにやってきた。


サイテー最悪の気分の時に、赤いぼんぼりの中で見てもらう。

「あんた。最悪の性格してるね。

男だったらまだマシだったよなー。女だからなあ。。。

あんたほど身勝手でわがままな女はいないよ。」

希望を与えてくれるかと思ったら、さらに追い討ちをかける。

そして確信を持って言う。

「あんた。10歳下の弟がいるでしょ」

「いません」

「ほらあ~。だからそう言う平気で嘘つくところが、最低なんだよ!

いないわけないでしょ!」


私の性格を最悪と連呼した上に、兄弟いないのに、嘘ついたと言って罵られる。

あまりの理不尽さにかえってなんだか元気が出た。


だが怖いのはその後だった。

田舎に帰った時、そんな話を振ったら、

母が「いたのよ。あんたの10歳下の弟が」

唖然とする。

しかも堕胎しただけなのに、なぜ男だとわかる。

かーちゃん、あんたこそ怖いわ。


そこまで見れる占いってなんなのだ?

じゃあ、やっぱし私って最悪の人間なんだな。




さて。奇しくも同じ街にいた(笑)占い師さんは、

とーっても可愛い女の人だった。

なんとなく自分の過去世を見てもらいたかった。


霊感のある友達や知り合いに「あんたの過去はコレ」

と何度か言われた。


正直言って

「それ、私が頭でなんとなく考えていることを読んだだけじゃないの?」

と思うフシがあった。


だから今回は静かに聞いた。

すると想像もしなかったことを話す。

へえ~、そうなんだ。

と、思った。


彼女が言うには、この地球上にはみんな平均して1000回は生まれ変わっていると言う。

そのうちの一個を取り上げてもらったところで、

「So what!?」なのだけれど、


その何百回、何千回という転生を聴くほどに

今この私の人生があまり重要でなくなる、

そんな気持ちになりたかったというのが本音だった。


だから「へえ~、そうなんだ」というのは、

私にとって求めていた感想だったのだ。




私たちは今この人生はものすごく重要だ。

この人生をどうやったら苦しみがないように生きられるか、必死で日々考えている。

でもそういうことを何千回も繰り返しているとしたら。。。


その位置に立ちたかった。


だから私が来世、違う人生を生きていたとして、

ある日占い師さんにこう言われる。


「え~。あなたは過去世、日本人でしたね。

女で、イラストレーターでした」


その時私はどう思うのか。

「へえ~、そうなんだ」

って思うだけじゃないだろうか。



同じことを繰り返している。

そのことに気づきたいと思う。



はっきり言って、私は1000回以上、

同じことで悩み、苦しみ、死んできた。


このことをなぜ繰り返しているのかを知ることは、

その人生を違う視点で見ることになるのではないか。


お金、体、健康、人間関係。

形は違えど、苦しみは全部同じ。


日本人だろうが、イタリア人だろうが、火星人だろうが、

そこにある価値観の中で翻弄されることに変わりはない。


その繰り返しから出よう。


罪という魅力的なオリから出よう。鍵はいつでもあいている。


全く違う心で、世界を見よう。


そう思えた。


ありがとう、可愛い占い師さん!




絵:「COOPけんぽ」表紙イラスト/エアーズロック




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