夏草が次々に枯れ、代わりに冬草が地面をおおいはじめる。
夏のあいだ、草たちは我先にと空へ空へと伸びて、地面に影を作る。強烈な太陽をさえぎり、地面はしっとりと濡れている。かれらは土に適度な湿り気を与え、微生物や虫たちにすみかを与える。
秋、その仕事をおえた夏草たちは枯れ、今度は冬草たちが地面をおおいはじめる。
夏とはちがい、かれらは空へ空へとは伸びずロゼッタ状に広がり、土を覆い隠す。緩やかな太陽の光と熱を葉の中に蓄え、その熱を土に伝える。冷たい北風が吹く頃、地面に低くはえ広がった草たちにおおわれて、畑の土は暖められる。
メヒシバなどが地面をおおいつくす。
畑8年目の冬がやって来る。
何度もくりかえされてきた草たちの仕事。あきらかに、土は肥えてきている。
冬草におおわれた地面に、長靴と靴下を脱いで、そっとつけた。
手袋もはずして、素足のそばに手もつける。
なんとも言えない安堵感が、からだ全体に広がる。
自然農法、自然農、自然栽培、炭素循環農法。。。
いろんな農法がある。
わたしはいろいろためしてみたけれど、
そのどれでもない。
どこにも行き着かない農法。
どこにも答えがない。
ただ現れては消えていく畑の生き物たち。
それをただ見ているだけの私。ただ見させられているだけだった私。
常識や、こうあるべき。そういうものから離れていく。
どうやっても、どんなに力もうと、かれらは、かれらのペースで生きる。
過ぎてみれば、それにゆだねることでしかなかった。
今思えば、それがどんなに心を自由にしてくれることだったか。
自由農法。。。
そう呼んでみようか(笑)。
芽吹きはじめたスナップエンドウ。
これから寒い冬を乗り越えて、春に私たちを楽しませてくれる。
いつもありがとうございます!
返信削除美味しく頂いております!