最近、人と内面のはなしをすることが増えた。
これがなかなかむずかしい。
何しろ外にちっとも見えないから、日頃どういう事を考えているのかわからない。
でもこれが物質的に見えている世界のはなしならわけもない。
「あ~ら、今日はいいお召し物を着てらっしゃるわねえ~。それ、どこでお買い求めになられたの?」
「あら~。ありがとー。これ、イトーヨーカドーで半額セールで買ったの!」
「まあ~っ!半額で!?とてもそんなふうに見えないわ~」
などと、いとも簡単にトーキングができるのであーる。
ところが、内面のはなしになると、
「あ~ら。今日はいいお考えを着てらっしゃるわね~え。それ、どこでお買い求めになられたの?」
「まあ。ありがとう。これはね。そこのイトーヨーカドーで半額セールで。。」
とはならない。(なるかー、ぼけ!)
服の好みは、眼に見えるからわかりやすい。
なるほどこの人は、山ガール系の服がお好きなんだなと見ると、山に関するはなしを持ち出したりできる。決してシャネルの服のはなしなどしてはいけないことがわかる。(シャネルの服ってどんなんかしらんけど)
だけど心の中の話になると、日頃どんなふうに者を考えているのかなーんてちっとも見えない。山の話がいーのか、シャネルの話がいーのか、じぇんじぇん取付けないのだ。
とっかかりも、きっかけも、どこをどー話していーやらわからないまま、心の中では
「なら話さなきゃ、いーじゃねーか!」
と、ひとりつっこみをしつつ、しどろもどろでバタバタとドタドタと話すやまんば。
すると予想に反して、相手は勝手に何かに気がついていたり、感じていたりしてくれていた。
先日もそんなことがあったな。
内面の話が好きな人だと知りながら、どこかぎくしゃくして、うまく話せなかった。だけど回を重ねるごとに、だんだん相手の「服」の好みが見えて来て話がらくに出来るようになり、とても楽しくなって来た。それは信頼によって、より膨らんでいくように見えた。
ある時、その人の美しさがちらっとかいま見えたとき、ドキッとする。
そうやって、だんだんその人を知っていくんだな~って、おもった。
絵:オリジナル切り絵「かえで」
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